アイナ・ジ・エンドさんがメーカーズマークCMで歌う「エイリアンズ」は、キリンジが2000年11月8日に発売した、孤独な二人の結びつきを描く楽曲です。
CMは桜井ユキさんとアイナさんが出演する『異星人たち』篇で、2026年1月26日から全国で順次放映。この記事では、公式発表で確認できる事実と筆者の解釈を分けながら、原曲や歌詞の意味、カバーの魅力をひも解きます。
アイナ・ジ・エンドが「エイリアンズ」を歌うCMとは?
アイナ・ジ・エンドさんが「エイリアンズ」をカバーしたのは、サントリーのプレミアムバーボンウイスキー「メーカーズマーク」のテレビCMです。
CMタイトルはメーカーズマーク『異星人たち』篇。サントリーが2026年1月に発表した公式CM情報によると、15秒版と30秒版が制作され、同年1月26日から全国で順次放映されました。
公式発表から確認できる基本情報を整理すると、次のようになります。
- 商品名:メーカーズマーク
- CMタイトル:『異星人たち』篇
- 放映開始日:2026年1月26日
- 放映地域:全国
- 出演者:桜井ユキ、アイナ・ジ・エンド
- CMソング:「エイリアンズ」
- 歌唱:アイナ・ジ・エンド
- 作詞・作曲:堀込泰行
- CM版アレンジ:石若駿
- 原曲アーティスト:キリンジ
- CM尺:15秒版、30秒版
以上は、サントリー公式のCM発表およびCM動画で確認できる事実です。
一方、「二人がどのような人物なのか」「なぜ心を通わせたのか」について、映像は長いせりふで説明していません。ここから先は、画面に映る表情や距離、歌の使われ方をもとにした筆者の解釈になります。
『異星人たち』篇には何が描かれている?
『異星人たち』篇に登場する桜井ユキさんとアイナ・ジ・エンドさんは、にぎやかな宴会の中心にいる人物というより、静かな夜にそれぞれの時間を抱えているように見えます。
二人の間に置かれるのは、メーカーズマークのグラスと、アイナさんが歌う「エイリアンズ」。言葉を重ねるよりも、表情や視線、歌声によって距離が変化していく構成です。
映像では、メーカーズマークを象徴する赤が暗い空間の中に浮かびます。
日常にあるバーのようでありながら、照明の色と余白の多い画面によって、別の惑星に降り立ったかのような幻想性が生まれているのです。
公式が示しているのはCMタイトルや出演者、楽曲などの制作情報です。したがって、「二人が孤独を抱えている」「グラスを介して心が近づく」という読み方は、映像から筆者が受け取った解釈であり、人物の細かな公式設定だと断定するものではありません。
それでも、題名が単数形の「異星人」ではなく、複数形の『異星人たち』である点は印象的ですよね。
一人だけなら、周囲から浮いた孤独な存在です。しかし、同じような異星人がもう一人いると分かった瞬間、孤独は「分かり合える相手を見つけた」という仲間意識へ変わります。
私はこの変化こそ、CMと「エイリアンズ」をつなぐ大切なポイントだと感じました。
歌が「もう一人の登場人物」になっている
このCMで流れる「エイリアンズ」は、雰囲気を整えるだけの背景音楽ではありません。
桜井さんが表情やたたずまいで見せる感情を、アイナさんの歌声が内側から補っているように聞こえます。映像で語られない人物の気持ちを歌が代弁するため、楽曲そのものが、もう一人の登場人物として働いているのです。
15秒版や30秒版という短いCMでは、人物の過去や関係性を詳しく説明できません。
だからこそ、すでに豊かな物語を持つ既存曲を選び、その一節と声の質感によって背景を想像させる方法が効果的なのでしょう。
なお、サントリー公式CM情報とアイナ・ジ・エンドさんの公式案内を2026年9月8日に確認した範囲では、CM版「エイリアンズ」を独立したフル音源として配信・発売するという告知は確認できませんでした。
公開状況は今後変わる可能性があるため、最新情報はサントリーおよびアイナ・ジ・エンドさんの公式発表で確認してください。
CMの原曲「エイリアンズ」は誰の歌?
「エイリアンズ」の原曲は、当時、堀込高樹さんと堀込泰行さんの兄弟による音楽ユニットとして活動していたキリンジの楽曲です。
ワーナーミュージック・ジャパンのキリンジ作品情報で確認できるシングル発売日は、2000年11月8日。キリンジにとって6枚目のシングルで、作詞・作曲を堀込泰行さん、編曲をキリンジと冨田恵一さんが担当しています。
発売から25年以上が経過しても、さまざまな歌手に歌い継がれてきました。CMで初めて曲名を知った方が原曲へさかのぼっても、古さより普遍的な美しさを感じられる一曲ではないでしょうか。
原曲の舞台は宇宙ではなく郊外の夜
題名だけを見ると、宇宙船や未知の惑星を描いた曲を想像するかもしれません。
ところが「エイリアンズ」に広がるのは、公団住宅やバイパス、街灯、旅客機といった生活に近い景色です。壮大な宇宙ではなく、どこにでもありそうな郊外の夜が舞台になっています。
昼間なら見慣れた住宅や道路も、人通りが絶えた深夜には別の場所のように見えることがありますよね。
月明かりの下で、飛行機や車の光が遠くを横切る。そんな現実の風景に宇宙的な想像が重なることで、二人が社会から少し離れた場所にいることが伝わってきます。
原曲の歌唱は、感情を激しくぶつけるというより、夜の空気の中に声が静かに溶け込んでいくような印象です。
冨田恵一さんを含む繊細な編曲と滑らかな歌声が、恋人同士の親密さと、広い世界に取り残されたような心細さを同時に響かせています。
キリンジとKIRINJIはどう違う?
「エイリアンズ」が発表された2000年当時のキリンジは、堀込高樹さんと堀込泰行さんによる兄弟ユニットでした。
堀込泰行さんは2013年に脱退し、その後はソロで活動。堀込高樹さんは活動形態を変えながらKIRINJIとして音楽を発表してきました。
そのため、原曲を紹介する際は、現在の体制ではなく、2000年当時の兄弟によるキリンジの作品と理解するのが正確です。
作詞・作曲者の堀込泰行さんと、現在のKIRINJIを混同しないようにすると、楽曲の歴史をより分かりやすくたどれます。
「エイリアンズ」の歌詞はどんな意味?
「エイリアンズ」は、周囲になじめない感覚を持つ二人が、互いを同じ世界の住人として受け入れていくラブソングと解釈できます。
ここでいう「エイリアン」は、恐ろしい宇宙人を直接表しているわけではないでしょう。世間の多数派から少し離れ、自分たちだけに通じる感覚を持つ恋人たちを、異星人にたとえた表現と考えられます。
歌詞そのものを長く転載せず、作品に登場する情景やモチーフから意味を読み解いてみましょう。
「エイリアン」は孤独と仲間意識の比喩
人が大勢いる場所にいても、「自分だけが違う星から来たようだ」と感じることがあります。
考え方や好きなものが周囲と合わず、うまく言葉にできない。そんな違和感を抱えた人にとって、「エイリアン」という呼び名は孤独の比喩になります。
しかし、この曲の題名は「エイリアン」ではなく「エイリアンズ」です。
同じように不器用な相手と出会えば、「自分だけがおかしいのではないか」という心細さは、「あなたも同じ種類の人なのですね」という安堵へ変わります。
つまり、「エイリアンズ」には二つの意味が重なっていると考えられます。
- 周囲の世界になじめず、よそ者のように感じる孤独
- 同じ違和感を持つ相手との、秘密の仲間意識
この歌は、孤独を完全に消してくれる物語ではありません。
違和感を抱えたままでも、それを理解してくれる相手と出会えば、二人分の居場所を作れる。そんな控えめで温かな希望を描いているように思います。
なぜ郊外の夜が「新世界」に見えるの?
歌の中に広がるのは、公団住宅やバイパスのある、ごく普通の郊外です。
ところが、心を分かち合える人と並んで歩くと、見慣れた町が初めて訪れた惑星のように変わります。建物や道路が変化したのではなく、隣にいる相手によって景色を見る心が変わったのでしょう。
これは恋愛の本質を、静かに表した描写だと私は感じます。
豪華な旅行先へ行かなくても、特別な出来事が起きなくても、理解者と歩いた帰り道は忘れられない景色になりますよね。
同時に、郊外は都市の「中心」から外れた場所でもあります。
社会の真ん中に居場所を見つけられない二人が、その周縁を自分たちの新世界として受け入れる。場所の意味を反転させるところに、この歌ならではの美しさがあります。
歌詞に出てくる「魔法」とは?
曲の中には、二人の間に魔法が生まれるような表現があります。
この魔法は、超自然的な力というより、言葉や愛情、触れ合いによって現実の見え方が変わることを表しているのでしょう。
恋をしても欠点が消えるわけではなく、世の中の暗い出来事がなくなるわけでもありません。
それでも、自分を受け止めてくれる人がいれば、隠したかった不格好な部分さえ、二人で笑い合えるものへ変わります。
私は、欠点を「直す」のではなく、「一緒に抱えられるものに変える」ところに、この曲の優しさがあると思います。
完璧な二人だから結ばれるのではありません。少しずつ欠けた者同士だからこそ、相手の心細さを想像できるのではないかしら。
「ラストダンス」が切なく響く理由
曲の終盤には、夜が明ける前の時間を惜しむような情景が描かれます。
朝が来れば町には日常が戻り、二人も現実へ帰らなければなりません。夜の魔法が永遠には続かないと感じられるからこそ、最後のダンスは切なく響きます。
二人は、明るい未来を大げさに保証しているわけではありません。
終わりの可能性を含んだまま、今ここにある愛情を確かめています。永遠だから尊いのではなく、限りがあるかもしれない時間を大切にするから輝くのでしょう。
甘さの中に心細さが残されていることが、「エイリアンズ」を大人のラブソングにしています。

アイナ・ジ・エンドのカバーは原曲と何が違う?
アイナ・ジ・エンドさんによるCM版は、原曲の静かな世界を守りながら、かすれや息遣いによって登場人物の感情を近くに感じさせる歌唱になっています。
サントリーのCM発表では、CM版のアレンジを石若駿さんが担当したことが明記されています。石若さんはドラマーとして、ジャズをはじめ幅広い音楽領域で活動してきた音楽家です。
ただし、公式に確認できるCMは15秒版と30秒版です。
独立したフル音源が確認できない以上、曲全体のテンポ、楽器編成、構成の変化まで厳密に比較することはできません。ここでは、CM映像の中で実際に確認できる声の質感と聴こえ方に絞ります。
比較点 キリンジの原曲 アイナ・ジ・エンドのCM版
声の印象 滑らかで静かに漂う かすれや息の揺れが近く感じられる
情景の見え方 郊外の夜を少し離れて眺めるよう 登場人物の表情へ近づくよう
物語の伝え方 一曲を通して二人の夜をゆっくり描く 短時間で孤独と親密さを印象づける
アレンジ キリンジ、冨田恵一 石若駿
原曲では、歌声と編曲が一体となって夜景を広く描き、聴き手は二人のいる町を遠くから眺めるような感覚になります。
一方、CM版では限られた時間で感情を届ける必要があるため、アイナさんの声の輪郭が強く耳に残ります。大きな声で押し切るのではなく、息を含んだ声をそっと差し出すことで、人物の心の揺れを想像させるのです。
たとえるなら、原曲は郊外の夜と二人を映すロングショット、CM版は一人の表情や呼吸に迫るクローズアップでしょう。
これは優劣の比較ではありません。同じ曲でありながら、視点の距離が変わったことで、歌詞の中にあった別の表情が見えてきます。
なお、アイナさん本人の人生や過去の経験を、この歌唱だけから推測することはできません。
ここで述べているのは、あくまで作品の中で聞こえる表現についての評価です。本人の内面に関する事実と、歌声から受け取った印象は分けて考える必要があります。
なぜメーカーズマークCMに「エイリアンズ」が合うの?
「エイリアンズ」がメーカーズマークCMに合う理由は、異なる個性を消さずに、相手とつながる物語を作れるからだと筆者は考えます。
ここでは、サントリーやメーカーズマークが公表している商品情報と、CMを見た筆者の考察を明確に分けて見ていきましょう。
公式情報で確認できるメーカーズマークの特徴
メーカーズマークの公式ブランド情報では、原料に一般的なバーボンで使われることの多いライ麦ではなく、冬小麦を用いることが特徴として説明されています。
また、ボトルの象徴である赤い封ろうは、現在も一本ずつ手作業で施されています。そのため、封ろうの垂れ方は完全に同じではありません。
ただし、商品の全工程が手作業という意味ではありません。
正確には、赤い封ろうなどブランドを象徴する工程に手作業が取り入れられていると表現するのが適切です。
声の個性と赤い封ろうが重なって見える
ここからは筆者の解釈です。
アイナさんの歌声には、均一に磨き上げた音とは異なる、ざらりとした手触りがあります。私はそれを、形や表情が少しずつ違う手仕事の器のように感じました。
その個性を消すのではなく、温度のある表現へ変えているところが、一本ずつ異なる表情を持つ赤い封ろうと重なります。
メーカーズマークとアイナさんに共通して見えるのは、単に「手作り」という言葉ではなく、整いすぎないものに宿る温度を大切にしていることではないでしょうか。
『異星人たち』篇に桜井ユキさんとアイナさんという異なる表現者が並ぶことにも、意味を感じます。
俳優と音楽家という別々の領域で独自の存在感を築いてきた二人が、一つのグラスと一つの歌を介して向き合う。その姿からは、「違う者同士だからこそ通じ合える」という物語を読み取れます。
名曲の「熟成」とバーボンの時間
「エイリアンズ」は2000年に発売され、四半世紀以上にわたって聴き継がれてきました。
バーボンも、原料を選び、蒸溜し、樽の中で時間を重ねることで味わいが形作られる飲み物です。
もちろん、音楽作品と酒類の製造を同じものとして扱うことはできません。それでも、時間を経ることで魅力が失われるのではなく、受け手によって新しい味わいが発見される点には共通性があります。
私は今回の選曲を、名曲の熟成とバーボンの熟成を、押しつけがましくない形で重ねた演出だと考えています。
懐かしい曲をそのまま流すだけなら、過去を振り返るCMになったでしょう。
しかし、アイナさんの声と石若さんのアレンジを通すことで、2000年の曲が2026年の物語としてもう一度動き出しています。原曲を塗り替えず、新しい入口を作ったところが、このカバーの巧みさです。
筆者が感じたCMの見どころと今後
筆者として最も評価したいのは、原曲を派手に作り替えるのではなく、楽曲が持つ余白を残したまま、声の体温を加えたことです。
「エイリアンズ」は、登場人物の感情をすべて説明しません。その余白があるからこそ、聴く人は自分の孤独や、大切な誰かの姿を重ねられます。
アイナさんの声は強い個性を持っていますが、CMではその個性だけで曲を覆い尽くしていません。
かすれや呼吸が主人公の心細さを具体的にする一方、聴き手が自由に想像できる静けさも残されています。この引き算が、短いCMに深い余韻を生んでいるのでしょう。
SNSなどで多くの人とつながれる現代でも、連絡相手が多いことと、本当に理解してくれる人がいることは同じではありません。
周囲との違いが目に入りやすい時代だからこそ、「同じ星の住人だと思える相手が一人いる」という曲の世界は、発売当時を知らない世代にも届くのだと思います。
今後、フルバージョンが正式公開されれば、石若さんのアレンジが原曲の浮遊感をどこまで残し、リズムや楽器の重なりをどのように再構成したのかも詳しく比較できるでしょう。
ただし、2026年9月8日の確認時点では、フル音源の配信や発売は公式に案内されていません。「今後配信される」と断定せず、正式発表を待つのが適切です。
CMをきっかけに原曲へ興味を持つ人が増えれば、キリンジのほかの作品や、作詞・作曲を手がけた堀込泰行さんの音楽へ関心が広がる可能性もあります。
名曲は保存されるだけでなく、新しい声と出会うことで再び歩き始めます。今回のカバーは、その穏やかで誠実な受け継ぎ方の一つではないかしら。
なお、メーカーズマークは酒類です。20歳未満の飲酒は法律で禁止されており、飲酒運転はできません。妊娠中や授乳期の飲酒にも注意し、お酒は適量を心がけましょう。
まとめ
アイナ・ジ・エンドさんがメーカーズマークCMで歌う「エイリアンズ」は、キリンジが2000年11月8日に発売した楽曲のカバーです。
CMは桜井ユキさんとアイナさんが出演する『異星人たち』篇で、2026年1月26日から全国で順次放映。15秒版と30秒版があり、CM版のアレンジは石若駿さんが担当しています。
歌詞の「エイリアンズ」は、周囲になじめない二人を表すと同時に、同じ孤独を分かち合える仲間の呼び名とも解釈できます。
キリンジの原曲が郊外の夜を広く映すような浮遊感を持つのに対し、アイナさんのCM版は、かすれや息遣いによって登場人物の感情へ近づく歌唱です。
異なる個性を結びつける歌の物語、手仕事の赤い封ろう、長い時間を経て深みを増す名曲とバーボン。その重なりが、『異星人たち』篇に静かで忘れがたい余韻を与えています。
よくある質問
アイナ・ジ・エンドが「エイリアンズ」を歌うCMの商品は何ですか?
サントリーのプレミアムバーボンウイスキー「メーカーズマーク」です。CMタイトルは『異星人たち』篇で、桜井ユキさんとアイナ・ジ・エンドさんが出演しています。
「エイリアンズ」の原曲は誰の歌で、いつ発売されましたか?
原曲はキリンジの楽曲で、2000年11月8日に6枚目のシングルとして発売されました。作詞・作曲は堀込泰行さん、編曲はキリンジと冨田恵一さんです。
アイナ・ジ・エンド版のフル音源は配信されていますか?
2026年9月8日の確認時点では、CMと別に聴けるフル音源の正式な配信・発売案内は確認できません。公開状況が変わる可能性があるため、最新情報はサントリーやアイナ・ジ・エンドさんの公式発表をご確認ください。
執筆:春野滋(エンタメ&スポーツ愛好家ライター)


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