楠見薫『ブギウギ』の役柄は?出演シーンと人物像を振り返る

朝ドラ『ブギウギ』の銭湯「はな湯」であん摩をするアサと常連客たち 俳優・女優:か行

楠見薫さんが『ブギウギ』で演じたのは、銭湯「はな湯」の常連客で、休憩スペースであん摩をするアサです。物語が進むと、岡部たかしさん演じる「アホのおっちゃん」と結婚していたことも明らかになります。

2023年10月2日に始まったNHK連続テレビ小説『ブギウギ』。アサは主人公・鈴子の大阪での暮らしを彩るだけでなく、「はな湯」の時間の流れまで感じさせてくれる人物でした。

楠見薫の『ブギウギ』での役柄・アサとは?

楠見薫さんが演じたアサは、花田家が営む銭湯「はな湯」の常連客です。

そして、ただお風呂へ入りに来るだけのお客さんではありません。銭湯を利用するお客さんを相手に、休憩スペースで「あん摩」の仕事をしています。

まずは役柄を簡潔に整理しておきましょう。

項目 内容
演じる俳優 楠見薫
役名 アサ
登場作品 NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
主な登場場所 銭湯「はな湯」
花田家との関係 はな湯の常連客
仕事 あん摩
仕事をする場所 はな湯の休憩スペース
後の大きな変化 アホのおっちゃんと結婚

アサの面白いところは、「常連客」と「はな湯で仕事をする人」という二つの顔を持っていることです。

お風呂に入って帰るだけなら、銭湯にいる時間は限られますよね。

ところがアサは休憩スペースであん摩をしています。つまり「はな湯」はアサにとって、入浴する場所であると同時に、仕事をし、人と交流する生活圏の一部でもあるのです。

『ブギウギ』の序盤では、この「はな湯」に個性豊かな人々が集まります。

宇野祥平さん演じる住み込み従業員のゴンベエ、岡部たかしさん演じるアホのおっちゃん、三谷昌登さん演じる八百屋のキヨ、妹尾和夫さん演じる熱々先生、なだぎ武さん演じる易者などです。

アサもその輪の中にいる一人でした。

主人公・花田鈴子がスター歌手になっていく物語だけを追えば、アサは脇にいる人物に見えるかもしれません。

けれど、私はこの「脇にいる」という立ち位置こそ大切だと思うんです。

スターになる前の鈴子には、家族がいて、ご近所さんがいて、いつもの銭湯がありました。

アサは、鈴子がまだ「福来スズ子」というスターになる前の日常を知っている人なのですね。


アサの出演シーンは?第1回から「はな湯」の日常に登場

アサの出演シーンを振り返るなら、中心になる場所は一貫して大阪・福島の銭湯「はな湯」です。

そして、ここは以前の記事より具体的に押さえておきたいところですが、楠見薫さんは2023年10月2日放送の第1回からアサ役で出演しています。

第1回では、幼い花田鈴子を澤井梨丘さんが演じ、鈴子が育った大阪の町と「はな湯」の世界が紹介されていきました。

その「はな湯」に集う人々の中に、アサもいます。

これは役柄を考えるうえで意外と重要なポイントです。

アサは、鈴子が芸能の世界へ進んでから知り合った人物ではありません。

視聴者が鈴子の物語を見始めた最初の段階から、その故郷の風景にいる人物なのです。

銭湯というのは、単に体を洗って湯船につかる場所ではありません。

少なくとも『ブギウギ』で描かれる「はな湯」は、番台があり、休憩スペースがあり、常連客が集まり、顔見知り同士が言葉を交わす地域の交流拠点として機能しています。

その休憩スペースであん摩をするアサは、この場所にとても自然に溶け込める役柄なんですよね。

たとえば、八百屋を営むキヨがいて、花田家のかかりつけ医でもある熱々先生がいて、いつも出入りしているアホのおっちゃんがいる。

そこにアサが加わることで、「はな湯」は主人公一家だけの閉じた空間ではなくなります。

私はここに、朝ドラらしい人物配置の巧さを感じます。

主人公の家を舞台にするだけなら、家族だけを登場させても物語は進められます。

けれど、家族ではない人が日常的に出入りすることで、そこに「町が主人公一家を包んでいる感覚」が生まれるんです。

アサは、その空気を作る一人だったと考えられます。

第22回にもアサが登場

アサは序盤だけに登場して消えてしまう人物ではありません。

2023年10月31日放送の第22回、第5週「ほんまの家族や」にも楠見薫さんはアサ役で出演しています。

このころの鈴子は、幼少期から成長し、歌劇の世界へ足を踏み入れています。

つまり、物語の中心が少しずつ「はな湯」の外側へ広がっていっても、アサを含む大阪の人々は鈴子の背景に残り続けているわけです。

これが後々、かなり効いてくるんですよね。

物語が東京へ広がり、鈴子が歌手として成長すればするほど、最初に見ていた大阪の人たちは「鈴子が帰ってくる場所」を象徴する存在になっていきます。

第39回では病床のツヤをめぐる場面にも登場

2023年11月23日放送の第39回、第8週「ワテのお母ちゃん」にもアサは登場します。

この回では大阪へ戻ったスズ子が、病床の母・ツヤ(水川あさみさん)と再会します。

アホのおっちゃんがツヤに食べさせようと桃を見つけてくるなど、「はな湯」を取り巻く人たちのつながりが描かれる重要な時期です。

楠見薫さん演じるアサも、この回の「はな湯」側の人物として登場しています。

ここまで見ると、アサが単なる背景のエキストラ的な人物ではないことが分かります。

主人公の人生に大きな決断を迫る人物ではありませんが、鈴子の家族と町の時間を継続して見守る常連客として存在しているのです。

※画像はAIによるイメージ

アサ最大の注目シーンは?第53回でアホのおっちゃんとの結婚が判明

アサの出演を振り返るうえで外せないのが、2023年12月13日放送の第53回です。

ここでアサについて、それまでの人物紹介だけでは分からなかった大きな変化が明らかになりました。

なんと、アサは岡部たかしさん演じるアホのおっちゃんと結婚していたのです。

これは「アサって、はな湯であん摩をしている人でしょう?」という印象だけで止まっている方には、かなり意外な展開ではないでしょうか。

このころのスズ子は地方巡業の合間に大阪へ帰り、久しぶりに「はな湯」を訪れます。

すると、懐かしい場所にも少しずつ変化が起きていました。

ゴンベエと光子(本上まなみさん)には子どもが生まれています。そして、アサとアホのおっちゃんは夫婦になっていました。

しかも二人は仲むつまじい様子。

久しぶりに帰ってきたスズ子も、この結婚には驚きます。

さらに会話からは、熱々先生が亡くなったことや、キヨも絡んだ恋模様があったことまで語られました。

第1回のころを思い出すと面白いですよね。

アサ、アホのおっちゃん、キヨ、熱々先生は、それぞれ「はな湯」にいる個性的な常連客として登場しました。

それが鈴子の知らない時間の中で、彼ら自身にも人生の変化が起きていたのです。

ここで私は、アサという人物を見る目が少し変わりました。

序盤では、アサは「鈴子の暮らしを背景から支える町の人」として見ることができます。

ところが第53回では、町の人には町の人自身の人生が続いていたことを見せる人物になるんですね。

主人公がいない間、脇役たちが時間を止めて待っていたわけではない。

恋をしたり、結婚したり、子どもが生まれたり、別れがあったりする。

この描き方によって「はな湯」は、主人公が帰ってきたときだけ動き出す舞台装置ではなく、本当に人々が暮らしている町のように感じられます。

なぜアサとアホのおっちゃんが結婚した?

第53回では、アサとアホのおっちゃんの結婚について、二人らしいユーモアのあるやり取りが描かれます。

アサが一人で最期を迎えたくないという思いを持っていたことを、アホのおっちゃんが冗談めかして説明します。

さらにキヨや易者の話から、熱々先生が亡くなった後、キヨも含めた恋模様があったことが分かります。

しかもアサ自身はこの時点で60歳と語っています。

若い男女の恋愛だけではなく、長年同じ町で顔を合わせてきた大人たちの間にも、人生の変化がある。

ここは『ブギウギ』らしい、人情と笑いが混ざった場面だったと私は感じました。

制作統括の福岡利武さんも、この第53回放送時にアサとアホのおっちゃんの結婚について説明しています。

つまり二人の結婚は、単に視聴者が勝手に「夫婦っぽい」と想像したものではなく、劇中ではっきり描かれたアサのその後です。

「楠見薫さんの『ブギウギ』での役柄は?」という疑問に答えるなら、「はな湯の常連客であん摩をするアサ」だけでなく、「後にアホのおっちゃんと結婚する」というところまで押さえておきたいですね。


アサの人物像は?確認できる事実とドラマから読み取れる役割

アサについては、公式に示されている設定と、ドラマを見た筆者の解釈を分けて考えることが大切です。

確認できる基本設定は明快です。

アサは「はな湯」の常連客で、銭湯のお客さんを相手に休憩スペースであん摩をする人物。物語が進んだ第53回では、アホのおっちゃんとの結婚が明らかになります。

一方、アサの詳しい生い立ちや、若いころにどんな人生を送ったのかといったところまで詳しく設定が示されているわけではありません。

そこを想像だけで埋めて「実はこういう女性だった」と断定するのは避けたいところです。

そのうえでドラマから読み取れるのは、アサが「はな湯」のコミュニティーにかなり深く溶け込んだ人物だということです。

お客として来るだけではなく、その場所で仕事もしている。

そして長い時間を同じ町の人たちと過ごした末に、常連客だったアホのおっちゃんと夫婦になります。

この流れを一本につなげてみると、アサの役割がよく見えてきます。

最初は「いつもの銭湯にいる人」。

やがて「鈴子が帰郷したとき、知らない間に人生が進んでいた人」。

この変化があるからこそ、アサは単なる「背景」では終わらないのです。

「常連客」が結婚相手になることに意味がある

私が特に面白いと思うのは、アサの結婚相手が新しく登場した男性ではなく、同じ「はな湯」の常連だったアホのおっちゃんだという点です。

ここには『ブギウギ』の大阪編が描いてきた、人と人との距離の近さが表れているように感じます。

二人は最初から「恋愛要員」として前面に出ていたわけではありません。

視聴者にとっては、どちらも「はな湯にいつもいる人」です。

だからこそ第53回でスズ子と一緒に二人の結婚を知ったとき、「えっ、この二人が?」という驚きが生まれます。

けれど、考えてみれば不自然ではありません。

主人公が大阪を離れている間にも、「はな湯」では常連同士が顔を合わせ、同じ時間を重ねていたはずです。

もちろん、二人の恋愛過程のすべてが細かく描かれたわけではありません。

むしろ細部を描き切らず、「帰ってきたら結婚していた」という見せ方にしたからこそ、スズ子が大阪を離れていた時間の長さが一瞬で伝わるのではないでしょうか。

ここはアサという人物を使った、とても効率のよい時間経過の表現だったと私は考えます。


なぜアサが『ブギウギ』に必要だった?「帰れば同じ」ではない故郷を描く役割

ここからは、確認できる事実を踏まえた筆者の考察です。

私はアサの役割を、単に「鈴子の原点を象徴する町の人」だけで終わらせるのは少しもったいないと感じます。

もう一段踏み込むと、アサは「故郷も主人公と同じように変化していく」ということを見せる人物ではないでしょうか。

朝ドラでは、主人公が故郷を離れて夢へ向かう展開がよくあります。

そんな物語では、故郷が「いつ帰っても昔と同じ安心できる場所」として描かれることもありますよね。

『ブギウギ』の「はな湯」にも、その安心感は確かにあります。

スズ子が戻れば、懐かしい人たちが迎えてくれる。

けれど、何もかも昔のままではありません。

第53回でスズ子が戻った「はな湯」では、戦時下で金属製の看板が供出され、木製の看板に変わっていました。

ゴンベエには子どもが生まれ、熱々先生はすでに亡くなっています。

そしてアサは、アホのおっちゃんと夫婦になっている。

主人公が夢を追っている間にも、故郷の時計は止まらないのです。

私は、ここがアサを振り返るうえで一番面白いポイントだと思います。

第1回のアサだけを見れば、「はな湯の生活感を作る常連客」です。

第53回まで追うと、「主人公が不在だった時間を見せる人物」に変わります。

同じ脇役でも、物語の前半と途中で機能が変化しているのですね。

これは長期間にわたって人物の人生を描ける朝ドラだからこそ生きる仕掛けではないでしょうか。

スターになる鈴子と、町で人生を重ねるアサ

『ブギウギ』は、笠置シヅ子をモデルにしたオリジナルストーリーです。

主人公の花田鈴子、のちの福来スズ子を趣里さんが演じ、銭湯の看板娘だった少女が歌と踊りの世界へ進み、やがて「ブギの女王」と呼ばれるスターへ成長していきます。

物語が進むにつれ、スズ子の世界はどんどん大きくなります。

大阪の「はな湯」から歌劇の舞台へ。

さらに東京へ進み、戦争という時代の大きな波も経験しながら、歌手として多くの人の前に立つようになります。

それに対してアサは、基本的に「はな湯」という地域の日常側にいる人物です。

この対照があるから面白いんですよね。

スズ子は遠くへ進んでいく。

アサたちは町に暮らし続ける。

けれど「進む人」だけに人生があるわけではありません。

同じ場所で暮らしている人にも、出会いや別れ、恋や結婚がある。

アサとアホのおっちゃんの結婚は笑いのあるエピソードですが、物語全体から見ると、主人公以外の人間にも主人公には見えていない人生が続いていることを表しているように思います。

私はスポーツ選手や俳優さんの歩みを調べるときも、つい大きな試合や主演作といった「目立つ出来事」に目が向きます。

でも、その人の物語を豊かにしているのは、必ずしも大事件だけではありません。

『ブギウギ』のアサも同じです。

あん摩をしながらいつもの銭湯にいる。

その何げない人物が、何十回か後に登場したときには結婚している。

この小さな変化が、ドラマの中に流れた年月をとても人間らしく伝えてくれます。


楠見薫だからアサの「町にいる人」という存在感が生きた?

楠見薫さんのアサを考えるとき、役柄そのものが派手ではないことも重要です。

アサは歌手でも、歌劇団のスターでも、スズ子を芸能界へ導く指導者でもありません。

だからこそ、演じる側には「主人公より目立つ」こととは別の仕事が求められます。

銭湯の休憩スペースにいて不自然ではないこと。

昔からこの町で暮らしているように見えること。

ほかの常連客と並んだときに、「この人たちは普段から顔を合わせているんだろうな」と視聴者に感じさせること。

こうした自然さが、「はな湯」という場所の説得力につながります。

実際、楠見薫さんは朝ドラへの出演経験を重ねてきた俳優です。

『ブギウギ』でも、作品の中心で大きな感情を背負うというより、日常の風景の中に自然に存在する役柄を担いました。

私は、こういう俳優さんの存在が朝ドラではとても大きいと思っています。

毎朝15分の放送を何か月も見ていると、視聴者にとっては「いつもの人」が少しずつ本当に知り合いのように感じられてきますよね。

だから第53回でアサが結婚していたと分かったときにも、「知らない脇役が結婚した」という情報では終わりません。

「あのアサさんが?」という驚きになる。

長期ドラマでは、こうした視聴者と脇役の間に積み重なる時間も大切な財産なのだと思います。

そして相手が、これまた第1回から「はな湯」にいたアホのおっちゃん。

派手な恋愛ドラマを長々と見せなくても、二人の結婚だけで大阪の人々の時間が進んだことが分かる。

楠見薫さん演じるアサは、小さな役だからこそ長編ドラマの時間経過を実感させてくれる、味わい深い人物だったのではないでしょうか。


まとめ|楠見薫『ブギウギ』の役柄はアサ、後にアホのおっちゃんと結婚

楠見薫さんがNHK連続テレビ小説『ブギウギ』で演じたのは、アサです。

アサは鈴子たち花田家が営む銭湯「はな湯」の常連客で、休憩スペースを使って銭湯のお客さんを相手にあん摩の仕事をしています。

2023年10月2日放送の第1回から登場し、鈴子が育った大阪の町の日常を形作る一人となりました。

さらに2023年11月23日放送の第39回など「はな湯」が舞台となる回にも登場。そして、アサを語るうえで特に重要なのが2023年12月13日放送の第53回です。

久しぶりに大阪へ帰ったスズ子は、アサが岡部たかしさん演じるアホのおっちゃんと結婚していたことを知って驚きます。

ここまで追っていくと、アサは単なる「銭湯の常連客」ではありません。

最初は鈴子の原点となる町の日常を見せ、後には鈴子が大阪を離れている間にも故郷の人々の人生が進んでいたことを伝える。

私はそこに、アサという脇役ならではの面白さを感じました。

スターになっていくスズ子の人生だけではなく、スターにならず町で暮らし続ける人にも、それぞれの人生がある。

「はな湯」は変わらず懐かしい。でも、そこで暮らす人たちは少しずつ変わっている。

アサとアホのおっちゃんの結婚は、そんな『ブギウギ』の時間の流れを、笑いと人情を交えて見せてくれたエピソードだったのではないでしょうか。


よくある質問

楠見薫さんは『ブギウギ』で何役を演じた?

楠見薫さんはアサ役を演じました。アサは鈴子たち花田家の銭湯「はな湯」の常連客で、休憩スペースでお客さんを相手にあん摩をしています。

『ブギウギ』のアサは誰と結婚した?

アサは、岡部たかしさん演じる「アホのおっちゃん」と結婚しました。2023年12月13日放送の第53回で、久しぶりに「はな湯」へ帰ったスズ子が二人の結婚を知ります。

アサは『ブギウギ』の第何回から登場する?

楠見薫さん演じるアサは、2023年10月2日放送の第1回から登場しています。その後も「はな湯」の人々として登場し、第53回ではアホのおっちゃんとの結婚という大きな変化が明らかになりました。

春野滋(エンタメ&スポーツ愛好家ライター)

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