大岩剛監督の評価は?監督成績や采配を徹底分析

ピッチ脇から日本代表の選手たちへ指示を送る大岩剛監督をイメージしたサッカーシーン サッカー

大岩剛監督は、国際大会で結果を残す勝負強さと、試合中に修正して勝ち筋を探る力が高く評価されている指揮官です。

鹿島アントラーズでのACL制覇、パリ五輪世代とロサンゼルス五輪世代でのU23アジアカップ優勝を経て、2027年3月からSAMURAI BLUEを率いることも正式に決まりました。では、実際の監督成績や具体的な采配を見ると、どこが評価され、何が課題なのでしょうか。

大岩剛監督の評価は高い?実績から分かる3つの強み

大岩剛監督の評価を先にまとめると、「国際大会で勝ち切る力」「試合中の修正力」「短期間でチームをまとめる力」の3点が大きな強みだと私は考えています。

一方、鹿島アントラーズではJ1リーグ優勝に届いておらず、SAMURAI BLUEの監督としてはまだ公式戦を指揮していません。

そのため、「すでに世界トップクラスの名将」と断定するのも、「守備的なだけの監督」と決めつけるのも、どちらも少し早いでしょう。

まずは主な実績を整理してみます。

年 チーム・大会 主な結果
2017年 鹿島アントラーズ J1リーグ2位
2018年 鹿島アントラーズ J1リーグ3位、ACL優勝
2019年 鹿島アントラーズ J1リーグ3位
2024年 U-23日本代表 AFC U23アジアカップ優勝
2024年 U-23日本代表 パリ五輪ベスト8
2026年 U-23日本代表 AFC U23アジアカップ優勝
2027年3月~ SAMURAI BLUE 2030年W杯を目指して監督就任予定

JFAによると、大岩監督の鹿島アントラーズでのJ1通算成績は90試合50勝20分20敗です。

さらに2018年には「AFCアニュアルアワード2018」の年間最優秀監督(男子)を受賞。2024年10月29日には「AFCアニュアルアワード2023」でも年間最優秀監督(男子)に選ばれ、AFCによれば同賞で初めて2度受賞した男子監督となりました。

ここは、正確に整理しておきたいポイントですよね。

2度目の表彰式が行われたのは2024年10月29日ですが、賞の名称は「AFCアニュアルアワード2023」です。「2024年度の年間最優秀監督」としてしまうと少し意味が変わります。

そして大きな転機となったのが2026年7月23日です。

JFAは、森保一監督がAFCアジアカップ サウジアラビア2027の終了までSAMURAI BLUEを率い、その後、大岩監督が2030年FIFAワールドカップを目指す日本代表監督へ就任すると発表しました。翌24日に公開されたJFA理事会の記事では、2027年3月から2030年ワールドカップまで大岩監督が指揮することも明記されています。

しかも、2028年ロサンゼルス五輪を目指す年代別代表との兼任です。

つまりJFAは、一大会だけを任せる「つなぎ役」ではなく、2030年までを見据えた代表強化の中心人物として大岩監督を選んだわけですね。

私が特に高く評価したいのは、タイトルの数だけではありません。

鹿島、パリ五輪世代、ロサンゼルス五輪世代と、選手構成も環境も異なるチームでアジアのタイトルを獲得していることです。

同じ主力メンバーに頼って一度成功したのではなく、異なる集団で結果を再現している。

監督の力を考える時、この「環境が変わっても勝てる」という点は、とても大きな意味を持つのではないでしょうか。


大岩剛監督の監督成績は?鹿島でJ1通算90試合50勝

大岩剛監督のクラブ監督としての数字を見ると、その評価には強みと弱みの両方があることが分かります。

JFA公式プロフィールによる鹿島でのJ1通算成績は、90試合50勝20分20敗。勝利数を試合数で割った単純な勝率では約55.6%です。

2017年6月に鹿島の監督へ就任し、その年のJ1リーグは2位。

2018年、2019年はいずれも3位でした。

安定して上位には入りましたが、大岩監督は鹿島の監督としてJ1リーグを優勝していません

ここは評価を考えるうえで外せない材料ですよね。

リーグ戦は一発勝負とは違い、長いシーズンを通じて勝ち点を積み上げなければなりません。

2017年には優勝争いをしながら最後にタイトルへ届かなかったことも含め、国内リーグで「圧倒的な王者」を作った監督とは言いにくいでしょう。

ところが、国際大会では違う顔を見せています。

2018年のAFCチャンピオンズリーグでは、鹿島をクラブ史上初のアジア制覇へ導きました。

決勝ではイランのペルセポリスと対戦し、第1戦を2-0で勝利。敵地テヘランでの第2戦を0-0で終え、2試合合計2-0でタイトルを獲得しています。

そして代表監督となってからも、短期決戦での強さは続きました。

2024年のAFC U23アジアカップでは決勝でウズベキスタンを1-0で破って優勝。AFCも、このタイトル獲得を大岩監督の2度目の年間最優秀監督賞につながる実績として紹介しています。

さらに2026年1月のAFC U23アジアカップ サウジアラビア2026でも日本は優勝しました。

JFAの公式記録では、日本はグループステージでシリアに5-0、UAEに3-0、カタールに2-0と3連勝。準々決勝ではヨルダンと1-1からPK戦を4-2で制し、準決勝では韓国に1-0、決勝では中国に4-0で勝利しています。

大会公式期間は現地時間で2026年1月6日から24日まで。決勝は現地時間1月24日に行われ、日本時間では1月25日でした。日付を資料によって確認する時には、この時差にも注意したいところです。

国内リーグでは頂点に届かなかった。

しかしACLと、異なる五輪世代のアジア大会では優勝した。

この実績を並べると、私は大岩監督を長期リーグを圧倒するタイプというより、大会の流れを読みながら勝ち上がる能力に実績のある監督と評価するのが、現時点では最も公平だと思います。


大岩剛監督の采配は?ACL・2024年・2026年の重要試合を分析

大岩剛監督の采配を知るには、「堅実」「守備的」といった印象よりも、実際に重要試合で何をしたのかを見る方が分かりやすいですよね。

特に注目したいのが、2018年ACL決勝第1戦、2024年U23アジアカップ決勝、2026年U23アジアカップ準々決勝の3試合です。

まず2018年11月3日、鹿島で行われたACL決勝第1戦のペルセポリス戦。

前半は0-0でしたが、大岩監督は試合後、相手の勢いを受けてしまったためハーフタイムに修正したと説明しています。

後半はチーム全体を押し上げ、サイドを使って相手を広げ、中央でコンビネーションを作る形へ改善。

その結果、58分にレオ・シルバ、70分にセルジーニョが得点し、鹿島は2-0で勝ちました。

これは、大岩監督を評価するうえで非常に分かりやすい試合です。

最初に考えていたプランが完璧だったのではありません。

うまくいっていない現象を前半45分で把握し、ハーフタイムに整理して、後半の得点へつなげたのです。

監督という仕事では、試合前の戦術設計だけでなく「予想が外れた後にどう直すか」が問われます。

私自身、サッカーを見る時にはこの部分がとても気になります。

相手だって研究してきますから、最初の作戦だけですべてが思い通りになる試合なんて、そう多くありませんものね。

続く11月10日の第2戦は、10万人を超える観衆が公式発表されたテヘランのアザディスタジアムで行われました。

鹿島は0-0で90分を終え、2試合合計2-0でクラブ初のACLタイトルを獲得しています。JFAも、第2戦では鹿島がリスクを管理しながら試合を進めた様子を伝えています。

第1戦では必要になった攻撃の修正を行い、第2戦では2点のリードを生かして試合を管理する。

私はこの二試合から、大岩監督を単純な「守備型」と呼ぶよりも、スコア、時間、対戦条件から必要な戦い方を逆算する現実派と見た方が近いと感じています。

次に2024年5月3日のAFC U23アジアカップ決勝、ウズベキスタン戦です。

日本は簡単には主導権を握れない苦しい展開になりましたが、大岩監督は62分に松木玖生から荒木遼太郎、藤尾翔太から平河悠へ2人を交代。

71分には佐藤恵允に代えて川﨑颯太、72分には山本理仁に代えて山田楓喜を送り込みました。

そして90+1分。

72分から出場した山田楓喜が決勝ゴールを挙げ、日本が1-0で優勝しました。

もちろん「途中出場した選手が点を取った=監督の交代策が100%正しかった」と単純化するのは危険です。

得点には選手自身の技術や判断、周囲の動き、偶発的な要素も関わります。

それでも、0-0で進む決勝でただ守りを固めるのではなく、荒木、平河、そして山田と試合を動かせる選手を投入し、実際に交代選手が決勝点を奪ったことは、采配を評価する材料の一つになります。

そして、さらに興味深いのが2026年1月16日の準々決勝ヨルダン戦です。

日本は30分に先制され、0-1で前半を終えました。

大岩監督は後半開始時、石橋瀬凪に代えて古谷柊介を投入します。

すると古谷が50分、投入から約5分で同点ゴール。試合は延長戦でも決着せず、日本がPK戦を4-2で制しました。

私は、この試合は大岩監督の評価を考えるうえでかなり大切だと思っています。

なぜなら「先に点を取って守る時」ではなく、ビハインドの状況で行ったハーフタイムの交代が、直後の同点弾につながった試合だからです。

さらに準決勝の韓国戦では、日本が1-0でリードする65分、大岩監督は石橋瀬凪、久米遥太、道脇豊を同時に交代。

ンワディケ・ウチェブライアン世雄、横山夢樹、古谷柊介を送り込み、続く66分にはDF市原吏音を岡部タリクカナイ颯斗へ代えました。日本はそのまま1-0で逃げ切っています。

そして決勝では中国を4-0で破りました。

得点者は12分の大関友翔、20分と76分の小倉幸成、59分の佐藤龍之介。4得点を奪い、2024年大会に続くU23アジアカップ連覇を完成させています。

こうして試合を一つずつ確認すると、大岩監督の強みとして浮かび上がるのは、「守備を固めること」そのものではなく、試合の状態によって打ち手を変えられることではないでしょうか。

ACLでは前半から後半へ攻撃を修正。

2024年決勝では攻撃的な交代を重ね、途中出場選手が決勝点。

2026年ヨルダン戦ではビハインドからハーフタイム交代で同点。

そして韓国戦ではリードしている状態で4人を短時間に入れ替え、試合を終わらせました。

攻める時と閉じる時の両方に具体例があるところが、大岩監督を評価するうえで見逃せないポイントだと私は思います。


大岩剛監督の戦術の特徴は?「守備的」だけでは説明できない

では、大岩剛監督はどのようなサッカーを志向する監督なのでしょうか。

私は、守備の安定と選手間の距離を土台にしながら、相手や試合状況に応じて攻守の重心を調整する現実的なスタイルと捉えるのが分かりやすいと考えています。

サッカーでは「コンパクトに戦う」という表現をよく耳にしますよね。

簡単にいえば、前線、中盤、最終ラインがバラバラにならず、味方同士が助け合える距離を保つことです。

距離が近ければ、一人が相手へプレッシャーをかけた時に別の選手がカバーしやすくなります。

ボールを奪った後も近くにパスコースができるため、守備から攻撃への切り替えを速くしやすいんですね。

ただし、大岩監督を「堅守速攻」という四文字だけで説明してしまうと、少し乱暴です。

2018年ACL決勝第1戦では、前半に相手の勢いを受けた後、後半は全体を押し上げ、サイドで相手を広げながら中央のコンビネーションを使うよう修正しました。大岩監督自身も、それが狙っていた得点パターンにつながったと振り返っています。

つまり、自陣へ引いてカウンターだけを狙う監督ではありません。

必要であれば前へ出る。

守るべき試合ではリスクを抑える。

交代によって攻撃の組み合わせも変える。

私がむしろ大岩監督らしさを感じるのは、特定のフォーメーションへの強いこだわりよりも、その試合で選手に何を求めるかを整理する力です。

これは代表監督として、とても重要な能力ではないでしょうか。

クラブでは日々の練習によって戦術を細かく作り込めますが、代表チームはそうはいきません。

海外クラブに所属する選手もそれぞれ別の環境から集まり、限られた日数で一つのチームにならなければなりません。

大岩監督は2021年にU-18日本代表を率い、同年12月にはパリ五輪を目指すU-21日本代表監督への就任が発表されました。その後も年代別代表を継続して率い、2024年と2026年のU23アジアカップで優勝しています。

違う世代を短期間でまとめ、公式大会で結果を出した。

私はこの実績こそ、「代表監督向きではないか」と期待される大きな根拠だと考えています。

もう一つ面白いのは、2026年大会で得点力も示したことです。

日本は6試合で、5-0、3-0、2-0、1-1、1-0、4-0という結果を残しました。単純合計すると17得点1失点です。

もちろん年代別大会の数字を、そのままSAMURAI BLUEへ当てはめることはできません。

それでも「大岩監督=守備しかできない」というイメージだけでは、2026年大会の実像を十分に説明できないでしょう。


大岩剛監督の課題は?A代表で成功を再現できるかが最大の焦点

高く評価されている大岩剛監督にも、はっきりした課題があります。

私が特に注目しているのは、年代別代表での成功をA代表でも再現できるのか、世界最高レベルの相手に複数の攻撃策を提示できるのか、そしてスター選手を含む集団をどう束ねるのかという3点です。

まず最も大きいのが、A代表監督としての経験がまだないことです。

これは決して小さな違いではありません。

SAMURAI BLUEには、世界トップレベルのクラブやリーグでプレーする選手も集まります。

年代別代表では監督が選手へ新しいことを教える場面も多いでしょう。

一方、A代表になると、選手自身が所属クラブで高度な戦術やさまざまな監督の考え方を経験しています。

そうした選手たちに「なぜこの戦い方なのか」を納得させ、それぞれの長所を一つのチームとして生かすことが必要になります。

さらに重要なのが攻撃です。

私は「大岩監督は攻撃を作れない」と断定するのは適切ではないと思っています。

2018年ACL決勝第1戦では攻撃面を修正して後半に2得点。

2026年U23アジアカップでは6試合17得点を記録し、中国との決勝だけでも4得点を奪いました。

むしろA代表で問われるのは、相手が日本を強豪国として警戒し、スペースを消して守ってきた時にどう崩すのかではないでしょうか。

日本代表の立場は以前とは変わっています。

いつも「格上に耐えてカウンターを狙えばいい」というチームではありません。

相手が日本の長所を研究し、あえてボールを持たせ、守備ブロックを作って待ってくる試合も増えていくでしょう。

そんな時に中央をどう攻略するのか。

サイドからどう崩すのか。

交代カードで試合の速度や配置をどう変えるのか。

大岩監督がSAMURAI BLUEで評価をさらに高めるためには、この「自分たちから答えを作る力」が必要になると私は見ています。

パリ五輪ではグループステージを突破したものの、準々決勝でスペインに0-3で敗れてベスト8でした。

強豪スペインに敗れた一試合だけで監督の能力を決めることはできません。

しかし2030年ワールドカップで日本がさらに上を目指すなら、世界トップレベルの相手とのノックアウトステージをどう突破するかは避けて通れませんよね。

2026年ヨルダン戦で見せたビハインドからの修正力は、とても良い材料です。

一方で、U23アジアカップで成功した方法がそのままワールドカップでも通用すると考えるのも早計でしょう。

実績がある部分と、まだ証明されていない部分を分けて評価すること。

私は、大岩監督を見る時にはこの姿勢がいちばん大切だと感じています。


なぜ大岩剛監督が日本代表監督に?2027年3月就任の意味を考察

大岩剛監督が次期SAMURAI BLUE監督に選ばれた理由を考えると、私は2030年へ向けたA代表強化と世代交代を、一人の監督の下でつなげられることが非常に大きいと見ています。

2026年7月23日のJFA発表によると、森保一監督はAFCアジアカップ サウジアラビア2027終了までSAMURAI BLUEを率います。

その後、大岩監督が2030年FIFAワールドカップを目指すSAMURAI BLUE監督へ就任し、2028年ロサンゼルス五輪を目指す年代別代表との兼務になります。JFA理事会の発表では、就任時期は2027年3月とされています。

ここに、今回の監督人事ならではの意味があります。

大岩監督は2022年からパリ五輪を目指す年代別代表を率い、2025年からはロサンゼルス五輪を目指すチームも担当しています。

2030年ワールドカップの時、ロサンゼルス五輪世代は20代半ば。

サッカー選手として大きく成長し、日本代表の主力争いへ入る年代ですよね。

つまり大岩監督は、若い選手がどのような特徴を持ち、どんな状況に強く、何を課題としているのかを年代別代表で直接見ながら、その選手たちをSAMURAI BLUEへ送り込める立場になります。

私はここが、今回の人事のとても興味深いところだと思っています。

単に「若手をたくさんA代表へ呼ぶ」ことが目的ではないはずです。

年代別代表で活躍した選手がA代表へ上がった時、役割まで含めてスムーズに接続できるのか。

その仕組みが機能すれば、監督交代だけではなく、日本代表の世代交代そのものを一貫して設計できる可能性があります。

また、大岩監督はJFAの外から突然連れてこられた監督ではありません。

鹿島監督退任後の2020~2021年にはJFAインストラクターを務め、2021年にはU-18日本代表監督、その後は五輪世代を継続して担当してきました。

つまり今回の就任は、数年間にわたって代表強化の現場で仕事をしてきた監督をA代表へ引き上げる流れでもあります。

ここから私が感じるのは、「すべてをゼロから壊すための監督交代」ではないということです。

森保体制で積み重ねてきた日本代表の組織力や、選手主体で状況を判断する文化を大きく断絶させるより、次の世代へつないでいく。

そのうえで大岩監督自身の色を加える。

そうした継続と更新を両立させる人事として見ると、とても筋が通っているように感じます。

ただし、「JFAが長く育ててきた監督だから成功する」と決まったわけではありません。

年代別代表とSAMURAI BLUEは別物です。

だからこそ2027年3月以降、大岩監督がこれまでの経験をどこまでA代表仕様へアップデートできるのかが最大の見どころになるでしょう。


大岩剛監督の今後の評価は何で決まる?私が注目する3つの答え

ここからは、サッカーを見続けてきた一人のファンとしての私見です。

私は大岩剛監督を、華やかな戦術論で評判を作った監督というより、重要な試合で結果を積み上げながら評価を上げてきた指揮官だと見ています。

2018年ACL決勝第1戦では、苦しかった前半からハーフタイムに修正して2-0。

第2戦では敵地で無理をせず0-0とし、アジアタイトルを手にしました。

2024年U23アジアカップ決勝では、72分に投入した山田楓喜が90+1分に優勝を決めるゴール。

2026年大会のヨルダン戦では、0-1で迎えた後半開始から古谷柊介を投入し、その古谷が50分に同点ゴールを挙げました。

もちろん、一つ一つの交代がすべて監督の力だけで生まれたわけではありません。

ピッチで実行した選手たちの力があってこその結果です。

それでも、クラブと異なる年代別代表という複数のチームで、重要局面の修正が結果につながっていることは無視できないでしょう。

監督の仕事は、試合前に戦術ボードへ「正解」を書けば終わりではありません。

相手が想定と違う戦い方をしてきた。

先に失点した。

狙っていた攻撃が止められた。

主力選手の状態が上がらない。

残り20分で得点が必要になった。

そんな時に、「では次に何を変えるのか」を決めるのも監督の仕事です。

大岩監督は、少なくともこれまでのACLや年代別代表では、その能力を何度も見せてきました。

だからこそ2027年3月から私が見たいのは、「大岩監督は攻撃的か、それとも守備的か」という単純な答えではありません。

試合展開ごとに何種類の解決策を提示できるか。

ここが大切だと思うんです。

世界的な強豪を相手に、1点のリードを守りたい時。

日本よりランキングの低い相手が自陣へ引き、0-0の時間が長くなった時。

先制されて残り30分しかない時。

90分では決着せず、延長戦やPK戦まで考える必要がある時。

求められるサッカーはすべて違います。

大岩監督は鹿島時代、J1リーグ優勝には届きませんでした。

パリ五輪でもスペインに敗れ、ベスト8から先へは進めませんでした。

つまり、実績豊富ではあっても「すべての壁をすでに越えた監督」ではないんですね。

私はそこが、むしろ2027年からの大岩ジャパンを見る面白さだと思っています。

過去の成功を再現するだけでなく、大岩監督自身も一段上の監督になれるのかを試される挑戦になるからです。

そしてもう一つ、私はロサンゼルス五輪世代との兼任に注目しています。

若手選手をたくさんSAMURAI BLUEへ呼べば成功、という話ではありません。

大切なのは年代別代表で知った選手の長所を、A代表の中でどう生かすかです。

若手が活躍しているからといって、既存の主力を機械的に入れ替える必要もありません。

むしろベテラン、中堅、若手がそれぞれ持っている強みを組み合わせ、チーム全体を2030年へ向けて少しずつ更新していくことになるでしょう。

大岩監督が年代別代表で築いた人間関係や選手理解は、その時に大きな武器になる可能性があります。

これは他国の監督と比べた戦術論とは少し違う、大岩監督ならではの強みかもしれません。

私が最終的に大岩監督を評価するうえで注目したい答えは、三つです。

世界の強豪を相手に試合中の修正力を発揮できるか。

守備を固める相手に対し、自分たちから複数の攻撃ルートを作れるか。

そして、年代別代表からA代表への世代交代を、チーム力を落とさず進められるか。

この三つが形になった時、大岩監督は「年代別代表で成功した監督」から、「日本代表を世界の次の段階へ進めた監督」へ評価を変えるのではないでしょうか。


まとめ|大岩剛監督の評価は国際大会の結果と修正力が支えている

大岩剛監督の評価を監督成績と具体的な試合から整理すると、国際大会で結果を出す勝負強さ、試合中の修正力、限られた時間でチームを組織する能力が大きな強みだと考えられます。

鹿島アントラーズではJ1通算90試合50勝20分20敗。J1リーグ優勝には届きませんでしたが、2018年にはクラブ史上初のACL制覇を成し遂げました。

年代別日本代表では、2024年のAFC U23アジアカップを制覇してパリ五輪ベスト8へ。

さらにロサンゼルス五輪世代を率いた2026年のU23アジアカップでも優勝し、異なる世代でアジアタイトルを獲得しました。

具体的な采配でも、2018年ACL決勝第1戦では前半の問題をハーフタイムに修正して後半2得点。

2024年U23アジアカップ決勝では72分から出場した山田楓喜が90+1分に決勝点。

2026年ヨルダン戦では後半開始から投入した古谷柊介が50分に同点弾を決めています。

こうした事実を見ると、「守備を固めるだけの監督」という評価では大岩監督の特徴を十分に説明できません。

一方で、A代表監督としての経験はまだなく、世界最高レベルの相手に対して年代別代表での成功を再現できるのかは未知数です。

JFAは2026年7月23日、森保一監督がAFCアジアカップ サウジアラビア2027まで指揮した後、大岩監督がSAMURAI BLUEを引き継ぐことを発表しました。

JFA理事会の発表では、2027年3月から2030年FIFAワールドカップまで大岩剛監督がSAMURAI BLUEを率いることが明記されています。ロサンゼルス五輪を目指す年代別代表との兼任です。

私は、大岩監督を「弱点のない名将」と評価するにはまだ早いと思っています。

けれども、鹿島と二つの五輪世代でアジアの頂点に立ち、苦しい重要試合では実際に修正や交代によって結果へ近づいてきた。

そう考えると、大岩剛監督は評判が先行して日本代表監督に選ばれたのではなく、複数の現場で積み上げた結果によって、その座へたどり着いた指揮官と言えるのではないでしょうか。

2027年3月から始まる大岩ジャパンで問われるのは、これまで築いてきた堅実さを捨てることではありません。

組織力と修正力を武器として残しながら、世界トップクラスを崩す攻撃の引き出しを増やせるのか。

そして年代別代表で知り尽くした若い才能を、既存のSAMURAI BLUEの力とどう結び付けるのか。

そこに、大岩剛監督の最終的な評価と2030年へ向かう日本代表の未来がかかっているのだと、私は思います。


よくある質問

大岩剛監督のJリーグでの監督成績は?

鹿島アントラーズ監督として、J1通算90試合50勝20分20敗です。JFAの公式プロフィールにも記載されています。

2017年はJ1リーグ2位、2018年と2019年は3位でした。J1リーグ優勝はありませんが、2018年にはクラブ初となるACL優勝を達成しています。

大岩剛監督の采配はどこが評価されていますか?

特に注目されるのは、試合中の修正と交代策です。

2018年ACL決勝第1戦ではハーフタイムの修正後に2得点。2024年U23アジアカップ決勝では72分から出場した山田楓喜が90+1分に決勝点を挙げました。2026年ヨルダン戦でも後半開始から投入した古谷柊介が50分に同点ゴールを決めています。

ただし、得点をすべて監督の采配だけの成果と考えるのではなく、選手の実行力を含めたチーム全体の成果として見ることも大切でしょう。

大岩剛監督はいつから日本代表監督になるのですか?

2027年3月からSAMURAI BLUE監督に就任することが決定しています。

森保一監督がAFCアジアカップ サウジアラビア2027終了まで指揮し、その後、大岩監督が2030年FIFAワールドカップを目指す日本代表を引き継ぎます。2028年ロサンゼルス五輪を目指す年代別代表との兼任です。

春野滋(はるのしげ)/エンタメ&スポーツ愛好家ライター

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