志治群青選手のLA28出場は未決定です。最初の関門は、2028年3月末の世界ランキングで第2段階の44枠に入ることです。
2026年6月の選考初戦では男子パーク予選33位。通過まであと1順位でしたが、日本勢には同大会の優勝者もおり、代表争いは簡単ではありません。
志治群青のオリンピック出場は決まった?
2026年8月19日時点で、志治群青選手の2028年ロサンゼルスオリンピック出場は決まっていません。
現在は「代表内定選手」ではなく、ワールド・スケートボード・ツアー(WST)を通じて世界ランキングを上げ、選考第2段階への進出を目指している選手です。
志治選手の現在地を判断するうえでは、次の成績が重要になります。
時期・大会 志治群青選手の結果 現在地を示すポイント
2025年4月・日本オープン 優勝 国内トップ選手に勝てる力を示した
2025年11月・日本選手権 準優勝 国内大会で上位争いを継続
2026年3月・サンパウロ世界選手権 予選20位、準々決勝27位 国際大会で予選を突破
2026年6月・WSTローマ大会 予選33位 通過ラインの32位まであと1順位
国内では優勝や準優勝を経験していますが、直近の国際大会では予選から準々決勝付近が主戦場です。
したがって、現時点では「LA28を目指す日本の若手選手の一人。ただし、代表有力圏へ入るにはWSTで上位ラウンドへ進む成績を重ねる必要がある」と見るのが適切でしょう。
志治選手は2011年8月11日生まれで、愛知県海部郡蟹江町の出身。4歳からスケートボードを始め、男子パークを専門としています。
パークは、おわん状の深い斜面や曲面を利用し、高さのあるエア、回転技、グラブ、スピード、コースの使い方などを一連のランで見せる種目です。
志治選手の代表的な武器は、身体を傾けながら空中で540度回転する「ロデオ540」。見る側まで息を止めてしまうような大技ですが、代表選考では一度の成功だけでなく、国際大会で得点につなげ続ける再現性も問われます。
LA28スケートボード代表の選考条件とは?
LA28のスケートボード代表選考は、WSTの成績を基に算出されるWorld Skateboarding Ranking、通称WSRを使い、2段階で進められます。
World Skateが公表した「LA28 Qualification Schedule Release」と、2026年3月16日付の「Skateboarding: Phase 2 Qualification & Participation Criteria」を2026年8月19日に照合すると、男子パークの流れは次の通りです。
- 第1段階:2026年6月11日~2028年3月31日
- 第2段階:2028年4月1日~6月11日
- 第2段階へ進める人数:各種目・男女44人
- オリンピック本大会の出場人数:各種目・男女22人
- 第2段階の国別上限:1種目につき最大6人
- 本大会の国別上限:1種目につき最大3人
第1段階では、選手がWSTの対象大会に出場し、結果に応じてWSRポイントを積み重ねます。
WSRは固定された累計表ではありません。World Skateの説明では、直近18カ月を対象とするローリング方式で、ワールドカップと世界選手権の結果が大会ごとの配点に従って反映されます。
そして2028年3月31日の第1段階終了後、資格条件と国別上限を適用した各種目・男女44人に、第2段階の出場枠が配分されます。
World Skateは最終WSRを遅くとも2028年4月3日までに更新し、各国・地域の競技団体へ枠を通知。競技団体は同年4月11日までに使用する枠を回答し、未使用枠があれば4月12日から再配分が始まる予定です。
44位なら必ず第2段階へ進めるわけではない
ここで大切なのは、単純にWSRの表示順位が44位以内なら自動的に進めるとは限らない点です。
第2段階は1カ国・地域につき各種目最大6人という上限があり、開催国に関する枠や、第2段階の大会開催国に関する条件も選考規定に含まれています。
つまり、正確には「WSRの上位44人」ではなく、資格要件、国別上限、規定上の配分条件を反映した44枠と理解する必要があります。
第2段階の開始時には、第1段階の順位に応じて段階的な持ち越しポイントが与えられます。そのため、44枠の最後に入ることと、上位で進むことは同じではありません。
志治選手にとっては、まず44枠へ入ることが第一目標ですが、最終選考を有利に戦うには、できるだけ高い位置で第1段階を終えることも重要なのですね。
最終22枠には特別枠も含まれる
第2段階終了後、各種目・男女の競技者は44人から22人へ絞られます。
本大会の22枠は、ランキングだけで選ぶ20枠に、開催国枠1枠とユニバーサリティ枠1枠を加えた構成が基本です。開催国の選手がランキングで条件を満たしている場合などは、規定に従って扱いが調整されます。
さらに、最終的な選考では次の条件も考慮されます。
- 1カ国・地域につき最大3人
- 各大陸から最低1人の代表を確保
- 開催国に関する配分
- ユニバーサリティ枠に関する配分
したがって、「世界22位以内なら出場」「23位以下なら落選」と単純には言えません。
志治選手の場合も、世界全体における位置だけでなく、日本男子パークの選手同士で何番手にいるかを同時に見る必要があります。
志治群青の世界ランキングと現在地は?
2026年8月19日にWorld Skateの男子パークWSR公開ページを確認しましたが、志治群青選手の最新順位を、更新日と結び付けて確実に特定できる状態ではありませんでした。
そのため、本記事では大会結果や登録区分から順位を推測し、「世界○位」と断定することは避けます。
WSRは対象大会後に更新されるうえ、直近18カ月の成績が入れ替わる方式です。検索結果や過去の記事に残る順位を、2026年8月19日現在の順位として転記するのも正確ではありません。
現時点で確実に確認できるのは、LA28へ向けた第1段階初戦、WSTワールドカップ・パーク2026ローマの結果です。
男子パーク予選で志治選手は33位。準々決勝へ進んだのは予選上位32人だったため、あと1順位で予選通過という結果でした。
同大会には日本から、WSR上位選手として永原悠路選手、猪又湊哉選手、笹岡建介選手、櫻井壱世選手、天野太陽選手が登録されました。
志治選手はワールドスケートジャパンの強化選手枠で出場しています。ただし、この登録区分だけを根拠に、公式WSR上の順位や日本代表内の序列まで断定することはできません。
大会の正式結果では、櫻井壱世選手が決勝で94.00点を記録して優勝。永原悠路選手も4位に入りました。
志治選手の33位と両選手の決勝順位には、予選、準々決勝、準決勝、決勝というラウンドの差があります。
一方で、予選から決勝では参加人数、試技回数、緊張度、採点対象となる滑りが異なります。異なるラウンドの得点を並べ、数字の差をそのまま実力差と解釈するのは適切ではありません。
ここから確実に言えるのは、志治選手が予選通過に近い位置まで来ている一方、同じ日本男子パークには世界大会を制し、決勝まで勝ち上がった選手がいるということです。
国内最大3枠を争う以上、予選を1回突破するだけでは十分ではありません。予選通過を重ね、その先のラウンドでも順位を上げることが必要になります。
志治群青の国際大会成績から何が分かる?
志治群青選手は、2026年のサンパウロ世界選手権より前にもWSTで予選を突破しています。
主な国際成績を時系列で整理すると、次の通りです。
- 2024年3月:WSTドバイ大会予選41位
- 2024年9月:ワールド・スケート・ゲームズ予選12位、準々決勝31位
- 2025年6月:WSTローマ大会予選14位、準々決勝26位
- 2026年3月:サンパウロ世界選手権予選20位、準々決勝27位
- 2026年6月:WSTローマ大会予選33位
この記録を見ると、2024年9月、2025年6月、2026年3月と、国際大会で複数回予選を突破しています。
所属先のFront Row Athlete Agencyが2026年4月8日に掲載した大会報告には、サンパウロ世界選手権で「自身初となる予選突破」とあります。
しかし、公開されている2024年ワールド・スケート・ゲームズの結果では、志治選手は予選12位で準々決勝へ進んでいます。大会区分や表現の意図が別にある可能性はありますが、公開リザルトとの整合を優先すると、2026年を競技人生初の予選突破とは扱えません。
また、2026年3月にブラジル・サンパウロのカンジド・ポルチナーリ公園で行われた大会の正式名称は「WST São Paulo World Championships 2025」です。
2025年シーズンの世界選手権を2026年3月1日から8日に開催したため、「2025年世界選手権」と「2026年開催の世界選手権」という二つの表記が生じやすくなっています。
同大会の男子パークで、志治選手は予選20位から準々決勝へ進み、準々決勝は27位。所属先の報告では、1本目に得意のロデオ540を組み込み、最後まで滑り切ったとされています。

2024年の準々決勝31位から2026年の27位だけを比べれば、順位は四つ上がっています。
ただし、その間の2025年ローマ大会では26位でした。直近の準々決勝順位だけを見れば、26位から27位へ一つ下がっています。
競技者の成長は一直線ではありませんが、都合のよい二大会だけを結んで「着実に上昇している」と評価するのも正確ではないでしょう。
私が注目したいのは、順位の上下よりも、異なる会場で複数回予選を通過している点です。
パークは会場ごとに深さ、曲面、障害物の配置が異なります。その環境で何度も準々決勝へ進んだ経験は、志治選手が国際大会の入口を越えられる力を持っていることを示します。
次は、その予選通過を選考期間中に繰り返し、準々決勝の下位から中位、さらに準決勝を争う位置へ進めるかが焦点になります。
志治群青が代表候補として期待される理由は?
志治群青選手がLA28を目指す若手として注目される理由は、14歳という年齢だけではありません。
10歳のころから国内トップ層と競い、表彰台、準優勝、優勝を経験してきた積み重ねがあります。
主な国内成績は次の通りです。
- 2021年:日本選手権4位
- 2023年:日本選手権3位
- 2024年:ワールドスケートジャパン強化指定選手
- 2025年4月:日本オープン優勝
- 2025年11月:日本選手権準優勝
- 2026年4月:日本オープン5位
大きな転機となったのが、2025年4月の第3回マイナビスケートボード日本OPENでした。
志治選手はバックサイド360などを組み込んだランをまとめ、永原悠路選手や猪又湊哉選手ら歴代の国内王者が出場する男子パークで初優勝しています。
予選では猪又選手が唯一の90点台を記録していましたが、決勝では志治選手が得点を残し、逆転を狙った猪又選手が最終ランの途中で技を決め切れなかった段階で優勝が確定しました。
この優勝は、志治選手が大技を持っているだけでなく、順位が決まる試合の中でランをまとめた実績として評価できます。
2025年11月の日本選手権では準優勝となり、国内大会で継続して上位を争えることも示しました。
一方、2026年4月の日本オープンは5位です。過去の優勝だけを取り出して代表有力と評価するのではなく、優勝、準優勝、5位という結果の振れ幅も含めて見なければなりません。
ロデオ540を得点へつなげられるか
志治選手の持ち味は、高さのあるエアとロデオ540です。
2023年の日本選手権では、ロデオ540やジュードーエアなどを組み込んだランで75.05点を記録し、3位に入りました。
2024年11月には、米国フロリダ州で開かれた若手選手の登竜門「Tampa Am」で、OJドアギャップのベストトリック賞も獲得しています。
ベストトリック賞は大会の総合優勝とは異なりますが、一つの技で強い印象を残せる爆発力があることは確かです。
ただし、ローマ大会の公開結果だけでは、志治選手が予選33位になった原因を、技の難度、完遂率、スピード、高さ、コース取りのどれか一つに特定できません。
詳細な採点内訳も示されていないため、「この部分を直せば代表へ近づく」と断定するのは避けるべきでしょう。
それでも、過去の国際大会で準々決勝26位、27位まで進んでいることを踏まえると、得意技を含むランを予選だけでなく複数ラウンドで成立させることが、順位を上げる鍵になると考えられます。
自分で考えて滑る力も大きな土台
志治選手の成長を支えてきたのが、愛知県蟹江町の練習環境です。
ご両親は倉庫を改装し、大会規模を意識したハーフパイプを備える専用パークを整えました。学校のある日も授業後に滑り、長い日には5~6時間練習することがあると紹介されています。
また、志治選手は11歳ごろから専属コーチを置かず、自分で試行錯誤しながら技を磨いてきました。
誰かの指示を待つのではなく、滑った感覚から改善点を探せることは、形状の異なる海外パークへ対応するうえでも強みになりそうです。
専門家の支援が今後必要になるかは、本人やチームが判断することです。ただ、独自の感覚を大切にしながら、必要に応じて身体管理や映像確認などを取り入れる余地はあるでしょう。
私は、志治選手の魅力は「教えられた正解を再現する」だけではなく、自分で技と滑りを組み立ててきた点にもあると感じます。その個性を保ったまま、国際大会で結果を繰り返せるかが楽しみですね。
志治群青はLA28代表になれる?今後の見通し
志治群青選手には、LA28日本代表を目指すだけの国内実績と成長期間があります。
しかし、2026年8月19日時点で「代表目前」や「有力候補」と断定できる国際成績には、まだ達していません。
当面の課題は明確です。
まず、2026年ローマ大会で一つ届かなかった予選通過ラインを、今後のWSTで継続して越えることです。
そのうえで、これまで26~31位だった準々決勝の順位を上げ、準決勝進出を争う必要があります。こうした結果の積み重ねがWSRへ反映され、2028年の第2段階44枠へつながります。
さらに日本男子パークには、2026年ローマ大会を制した櫻井壱世選手、同大会4位の永原悠路選手がいます。
猪又湊哉選手、笹岡建介選手、天野太陽選手らも国際大会を経験しており、日本勢内の競争そのものが世界レベルです。
志治選手は2028年の選考終盤でも16歳。これから技術や身体面、海外大会への対応力が大きく変化する可能性はあります。
ただし、若さは可能性を示す材料であって、代表入りを保証する条件ではありません。同世代の国内外の選手も成長を続けるからです。
筆者としては、2026年ローマ大会の33位を、楽観にも悲観にも寄せすぎず評価したいと思います。
95人が出場した予選で32人の通過枠まで一つだったことは、次のラウンドが見える位置にいた証拠です。一方、予選通過後にはさらに複数のラウンドがあり、日本勢はすでに決勝や優勝へ到達しています。
志治選手が代表争いへ本格的に加わったと言える目安は、WSTで予選突破を繰り返し、準決勝を争う結果が見え始めたときではないでしょうか。
華やかなロデオ540を「一大会の見せ場」で終わらせず、WSRポイントを着実に生むランへ育てられるか。そこにLA28への道を開く鍵があると私は考えます。
そして、オリンピック出場だけを成長の合否にする必要もありません。
代表選考は本人の滑りに加え、ライバルの成績、国別上限、特別枠の配分にも左右されます。世界大会で予選を突破した回数や、前年に届かなかったラウンドへ進めたかという小さな変化にも目を向けたいですね。
まとめ
志治群青選手のLA28オリンピック出場は、2026年8月19日時点では決まっていません。
LA28選考の第1段階は2026年6月11日から2028年3月31日まで。資格条件や国別上限を反映した各種目・男女44人が第2段階へ進み、最終的に各種目22人が本大会へ出場します。
志治選手は2026年3月のサンパウロ世界選手権で予選20位、準々決勝27位。選考初戦のWSTローマ大会では予選33位となり、通過まであと1順位でした。
2025年日本オープン優勝、同年の日本選手権準優勝、ロデオ540という武器は大きな可能性を感じさせます。
一方、日本男子パークにはWST優勝者や決勝進出者がいるため、代表入りには世界ランキングと日本勢内の競争を同時に勝ち抜かなければなりません。
現在の志治選手は、代表に決まった選手ではなく、選考第2段階への44枠を目指して世界へ挑んでいる若手です。まずはWSTで予選突破を重ね、その先のラウンドへ進めるかを見守りたいと思います。
よくある質問
志治群青のLA28オリンピック出場は決定していますか?
決定していません。2026年8月19日時点では選考第1段階を戦っており、まず2028年の第2段階へ進む44枠に入る必要があります。
志治群青の現在の世界ランキングは何位ですか?
2026年8月19日の確認では、World Skateの公開ページから更新日と結び付けて最新順位を確実に特定できませんでした。そのため、過去順位や大会の登録区分から推測せず、現時点では不明としています。
志治群青が代表へ近づくために必要な結果は?
WSTで予選突破を継続し、準々決勝から準決勝を争う順位へ上げることが当面の目安です。その結果をWSRポイントにつなげ、第2段階44枠と日本勢内の上位を目指します。
執筆者:春野滋(エンタメ&スポーツ愛好家ライター。息子の試合観戦をきっかけに幅広い競技を継続して調べ、公式規定と大会結果を照合しながら若手選手の歩みを追っています)


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