戸上隼輔選手の年収は非公表であり、9000万円説を裏づける契約額や賞金の一次資料は確認されていません。
2026年9月10日時点の公式サイトには7社・団体がスポンサーとして掲載されていますが、すべてが同額の現金契約とは限りません。所属、企業支援、用具提供、大会賞金を分け、公開情報から確かめられる範囲を整理します。
戸上隼輔の年収9000万円説は本当?
結論から申し上げると、戸上隼輔選手の正確な年収は、本人、所属先、スポンサー企業のいずれからも公表されていません。
インターネット上では「推定年収9000万円前後」という情報が見られます。しかし、その計算に使われている契約金や報奨金を調べると、事実として確認できない数字が含まれていました。
推定に使われた項目 主張されている数字 公開情報による検証
スポンサー契約 総額約2億円、3年契約で年約6000万円 総額、契約期間とも公表資料を確認できない
Tリーグ報酬 月100万円、7カ月で700万円 戸上選手個人の契約金や報酬体系は非公表
東京五輪の報奨金 約1600万円 戸上選手は東京五輪代表ではなく計上できない
国際大会の賞金 大会ごとの推定額 個人の受取額を示す公表資料は確認できない
出演料など テレビやイベントの推定額 出演料、出演本数とも非公表
9000万円説の中心となっているのは、「スポンサー5社との契約総額が約2億円」「契約期間を3年として年約6000万円」という試算です。
ところが、企業各社の発表や戸上隼輔オフィシャルWebサイトには、その契約総額や期間は掲載されていません。計算式が細かくても、出発点となる数字を確認できなければ、年収の根拠にはできないのですね。
東京五輪の報奨金1600万円は計上できない
9000万円説には、戸上選手が東京2020オリンピックの卓球男子団体で銀メダルを獲得したという前提を使った試算もあります。
しかし、東京大会の男子団体日本代表は水谷隼選手、丹羽孝希選手、張本智和選手の3人で、獲得したメダルは銀ではなく銅でした。戸上選手は代表メンバーに入っていません。
したがって、東京五輪のメダル報奨金を戸上選手の収入へ加えることはできません。
この一項目だけでも推定額の前提が大きく崩れます。年収情報を見るときは、金額の大きさよりも、誰の、どの大会の、どの契約に基づく数字なのかを確認することが大切です。
現時点では、9000万円だけでなく、数千万円などの別の金額を正確な年収として示すことも困難です。
戸上隼輔の収入源は何?確認状況を3区分で整理
戸上選手には、所属契約、スポンサー支援、大会賞金など、複数の収入経路があると考えられます。
ただし、「契約や活動の存在を確認できること」と「本人の収入額まで分かること」は別です。公開情報を3つの区分で整理しました。
収入・支援項目 存在を確認 金額まで確認 現在性・注意点
井村屋グループとの所属契約 〇 × 2024年4月1日から所属
スポンサー・用具等の支援 〇 × 2026年9月10日に公式サイト掲載を確認
Tリーグの選手契約 過去は〇 × 2026-2027シーズンの国内所属は今回確認できず
国内外大会の賞金 大会により〇 個人受取額は× 賞金総額と本人の受取額は異なる
メディア・イベント出演 活動例は〇 × 個別報酬か契約内活動か不明
五輪メダル報奨金 × × 東京五輪は代表外、パリ五輪はメダルなし
このように見ると、戸上選手に複数の支援基盤があることは分かります。一方、公開情報だけで年収を足し算できる項目はありません。
井村屋グループとの所属契約
戸上選手は、2024年4月1日から井村屋グループに所属しています。
井村屋グループは2024年4月8日付の公式ニュースリリース「卓球 戸上隼輔選手の井村屋グループ所属について」で、所属開始を正式に発表しました。契約決定は同年2月20日に公表されており、当時の戸上選手は明治大学在学中で、パリ2024オリンピック日本代表に内定していました。
戸上選手は2001年8月24日生まれで、井村屋グループ本社と同じ三重県津市の出身です。大学卒業の節目に、故郷の企業を所属先として世界へ挑む体制が整ったことになります。
ただし、公式発表には給与、契約金、契約期間、成績連動型の報奨金といった条件は記載されていません。
所属契約は戸上選手の競技活動を支える重要な基盤と考えられますが、一般的な会社員の給与と同じ仕組みとは限りません。遠征や練習環境の支援、広告・広報活動への協力などが含まれる可能性もあるため、所属の事実だけから年収を推定するのは難しいでしょう。
Tリーグの報酬は現在の年収に含められる?
戸上選手はこれまで、T.T彩たま、琉球アスティーダ、木下マイスター東京でTリーグに出場してきました。
Tリーグ公式サイトでは、木下マイスター東京に在籍した2023-2024シーズンの選手情報を確認できます。背番号は69で、戦型は右シェークドライブ型と掲載されています。
一方、2026年9月10日時点で、戸上選手が2026-2027シーズンのTリーグ所属選手であることを示す契約発表は、今回確認したTリーグ公式の選手情報およびチーム発表では見つけられませんでした。
そのため、過去にTリーグへ参戦していた事実を根拠に、現在も同じ報酬を受け取っているとは判断できません。
また、「トップ選手は月100万円」「7カ月で700万円」といった数字も、戸上選手本人の契約書や所属チームの発表に基づくものではありません。固定報酬、出場給、勝利給など契約設計が選手ごとに異なる可能性がある以上、一律の月給を当てはめるのは避けるべきですね。
なお、海外ではドイツ・ブンデスリーガのTTFリープヘル・オクセンハウゼンでプレーしてきた経歴があります。しかし、こちらも戸上選手個人の契約額は公表されておらず、収入額の算定材料にはできません。
大会賞金と年収は同じではない
戸上選手は全日本卓球選手権男子シングルスで2022年、2023年に連覇し、2024年には準優勝しました。
2025年5月17日から25日までカタール・ドーハで開催された世界卓球選手権では、篠塚大登選手との男子ダブルスで優勝。日本勢として1961年以来、64年ぶりとなる同種目の金メダルを獲得しています。
さらに、2026年にはWTTスターコンテンダー・リュブリャナと、9月1日から6日まで開催されたWTTコンテンダー・アルマトイの男子シングルスで優勝しました。
これらの成績は、競技者としての評価やスポンサー価値を考えるうえで重要です。ただし、大会の賞金総額は大会全体に用意された金額であり、優勝者個人の受取額ではありません。
順位別、種目別の配分があり、ダブルスではペアへの配分も関係します。税金や競技活動に伴う費用もあるため、公表賞金と最終的な手取り額や手元に残る金額は一致しないのです。
今回確認したWTTの各大会情報では、大会結果は確認できた一方、戸上選手本人に実際に支払われた金額を特定できる資料は見当たりませんでした。したがって、優勝回数へ任意の金額を掛けて年収に加えることはできません。
賞金総額や優勝賞金が公表されている大会でも、それだけで選手の年収全体を説明することはできない。この点は、プロ卓球選手の収入を考える際の大切な注意点でしょう。
戸上隼輔のスポンサー7社はどこ?
2026年9月10日に戸上隼輔オフィシャルWebサイトの「SPONSOR」欄を確認したところ、7社・団体が掲載されていました。ただし、7社すべてが同額の現金スポンサー契約を結んでいるという意味ではありません。
掲載されている名称と、公開情報から確認できる関係は次の通りです。
企業・団体 確認できる関係 根拠となる公表情報 契約金
BUTTERFLY 卓球用品ブランドによる選手支援 公式の契約選手・使用用具情報 非公表
井村屋グループ株式会社 所属契約 2024年4月8日付公式発表 非公表
百五銀行 公式サイトのスポンサー掲載 2026年9月10日確認 非公表
マルキュウ スポンサー契約 2019年8月27日発表 非公表
歯科峰瑛会 公式サイトのスポンサー掲載 2026年9月10日確認 非公表
Colantotte アドバイザリー契約選手 2023年の契約発表 非公表
株式会社大津屋 公式サイトのスポンサー掲載 2026年9月10日確認 非公表
井村屋グループは「所属」、BUTTERFLYは競技用具に関する選手支援、Colantotteはアドバイザリー契約という関係を確認できます。
一方、百五銀行、歯科峰瑛会、株式会社大津屋については、戸上選手の公式サイトに現在のスポンサーとして掲載されているものの、今回確認した各社の公開情報では、契約開始日、期間、支援内容、契約料まで特定できませんでした。
公式サイトへの掲載は現在の関係を示す有力な情報ですが、「ロゴが一つ掲載されているから契約料はいくら」と逆算することはできないのです。

マルキュウとの契約は高校時代の2019年に発表
株式会社丸久は2019年8月27日、戸上選手のマネジメント会社とのスポンサー契約締結を発表しました。卓球メディアのRallysも翌8月28日、記者会見の内容を報じています。
当時の戸上選手は野田学園高校に在籍し、インターハイ男子シングルス2連覇を達成したばかりでした。
契約発表では、国内大会で丸久の企業ロゴが入ったユニホームを着用することや、企業広告、イベントなどへ出演する予定が示されています。ただし、契約料と契約期間は公表されていません。
丸久は食品の贈呈などを通じて、以前から野田学園卓球部を応援していました。
三重県出身の戸上選手は、中学2年生の9月に山口県の野田学園へ編入しています。山口を「第二の故郷」と感じ、地元企業からの支援を望んだことが契約の背景にありました。
高校時代から目標に掲げていた2024年パリ五輪への出場も、その後に実現しています。若い時期から選手の成長を見守ってきた地域企業との関係は、単年度の成績だけでは測れない支援の形といえるでしょう。
三重と山口を結ぶスポンサーの地域性
井村屋グループは戸上選手の出身地である三重県津市に本社を置き、マルキュウは学生時代を過ごした山口県に基盤を持つ企業です。
この二つの契約を並べると、戸上選手のスポンサー関係には「知名度の高い選手だから支援する」だけではない物語が見えてきます。
企業の発表内容からも、地域との縁や競技活動への応援が契約理由の一部になっていることが読み取れます。地域出身者や地域で育った選手を支える活動は、企業にとって地元の人へ支援の意味を説明しやすい取り組みでもあるでしょう。
筆者としては、三重で生まれ、山口で競技者として大きく育った歩みそのものが、戸上選手固有のスポンサー価値になっていると考えます。
もちろん、地域との結びつきが強いから高額契約である、という意味ではありません。契約の物語性と契約金額は分けて考える必要があります。
パリ五輪と世界卓球の実績は収入にどう影響する?
戸上選手が初めて出場したオリンピックは、2024年のパリ大会です。
日本卓球協会のパリ2024大会記録によると、男子シングルスでは2試合を勝ち上がり、2024年7月31日の3回戦で韓国の張禹珍選手に0対4で敗れてベスト16となりました。
男子団体には張本智和選手、篠塚大登選手と出場。日本は準決勝でスウェーデンに2対3、8月9日の3位決定戦でもフランスに2対3で敗れ、4位でした。
フランスとの3位決定戦では、戸上選手がアレクシ・ルブラン選手に3対1で勝利しています。表彰台には届きませんでしたが、開催国の強豪から挙げた一勝は、世界で戦える力を示す内容でした。
一方、シングルス、団体ともメダル獲得ではなかったため、JOCなどがメダリストを対象として支給する報奨金を、戸上選手のパリ五輪収入に計上することはできません。
所属先が五輪出場や入賞に独自の支援金を設けていた可能性はありますが、その有無や金額を示す公式発表は確認できていません。
それでも、五輪出場が収入面で無意味だったわけではないでしょう。
2025年の世界卓球男子ダブルス金メダル、2026年の国際大会優勝へと結果をつないだことで、「五輪代表経験を持ち、世界大会で継続して活躍する選手」という評価が積み重なっています。
スポンサー企業が公表している契約金はないため、実績によって収入がいくら増えたとはいえません。しかし、競技成績、国際大会への出場機会、報道で取り上げられる機会は、契約継続や新たな支援を検討する際の判断材料になり得ると考えられます。
戸上隼輔の年収とスポンサー価値をどう見る?
ここからは、確認できた事実を踏まえた筆者の考察です。
戸上選手の年収を考える際、最も避けたいのは、所属契約、現金によるスポンサー料、用具提供、コンディショニング用品の提供、大会賞金をすべて同じ収入として足し合わせることです。
たとえば、ラケットやラバー、競技用ウェアなどの提供は、世界を転戦する選手にとって大きな支援です。しかし、提供された用品の価値をそのまま現金収入として年収へ加えることはできません。
企業イベントへの出演も同様です。出演料が別途支払われる場合もあれば、年間契約に含まれる活動である可能性もあります。外部から見える出演回数だけで報酬を算出するのは難しいでしょう。
また、「年収」という言葉が総収入を指すのか、必要経費を考慮した所得を指すのかによっても数字は変わります。
国際大会を転戦する選手には、移動、宿泊、練習環境、身体のケア、帯同スタッフなどに関する費用が生じます。大会賞金や契約料が公表されたとしても、その金額と最終的な手取りや手元に残る金額は同じではありません。
私は、戸上選手のスポンサー価値を見るうえで、次の3点が重要だと考えています。
- 全日本選手権連覇や世界卓球男子ダブルス優勝という競技実績
- 三重県と山口県、それぞれの地域企業との具体的な結びつき
- パリ五輪後も国際大会で結果を残し続けている継続性
なかでも印象深いのは、パリ五輪で団体4位となった翌年、篠塚大登選手と世界卓球男子ダブルスを制したことです。
表彰台を逃した経験のあとに歩みを止めず、日本卓球界にとって64年ぶりとなる成果を残しました。この過程には、一度の話題性だけではない競技者としての信頼が表れているように感じます。
2026年にも国際大会で優勝しているため、スポンサー側から見れば、長期間にわたって世界への挑戦を続けられる選手と評価する材料になるでしょう。ただし、これは実際に契約料が増額されたという意味ではなく、公開された実績から考えられる見通しです。
華やかな推定年収につい目を奪われますが、本当に注目したいのは、世界を転戦しながら練習と身体のケアを続けられる環境が保たれているかどうかではないかしら。
スポンサーの数だけでなく、どの企業が、どのような縁と役割で戸上選手を支えているのかを見ると、数字には表れにくい契約の価値も伝わってきますよね。
戸上隼輔の年収・収入源・スポンサー調査まとめ
戸上隼輔選手の年収は公表されておらず、9000万円説を裏づける契約総額、契約期間、個人の賞金受取額も確認できませんでした。
とりわけ、戸上選手は東京五輪代表ではないため、同大会のメダル報奨金を年収に加えた計算は成立しません。
2026年9月10日時点の公式サイトには、BUTTERFLY、井村屋グループ、百五銀行、マルキュウ、歯科峰瑛会、Colantotte、株式会社大津屋の7社・団体が掲載されています。
ただし、所属契約、用具面の支援、アドバイザリー契約など関係は一様ではなく、7社という数だけからスポンサー収入を逆算することはできません。
公開情報から導ける最も正確な結論は、戸上選手には所属先と複数の支援企業があるものの、現在の年収額は算出できないということです。
よくある質問
戸上隼輔の年収は9000万円ですか?
9000万円は本人や所属企業が公表した金額ではありません。未確認のスポンサー料が使われ、東京五輪の実績にも誤りがあるため、事実として扱うことはできません。
戸上隼輔のスポンサーは何社ですか?
2026年9月10日時点の戸上隼輔オフィシャルWebサイトには7社・団体が掲載されています。ただし、7社すべてが同じ種類・金額の現金契約とは限りません。
戸上隼輔は五輪報奨金を獲得しましたか?
戸上選手は東京五輪代表ではなく、パリ五輪では男子シングルス・ベスト16、男子団体4位でした。五輪メダルを条件とする報奨金は計上できず、所属先独自の支援金についても公表資料は確認できていません。
執筆者:春野滋(エンタメ&スポーツ愛好家ライター)

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