清水空跳選手は2025年インターハイで、男子100mを高校新記録の10秒00、200mを20秒39で制し、短距離2冠を達成しました。
星稜高校2年、16歳で成し遂げた快挙です。公式結果を基に、予選から決勝までの記録、公認記録と追い風参考記録の違い、リレーを含む連戦の価値まで詳しく見ていきましょう。
清水空跳の2025年インターハイ成績は?100m・200mで全国優勝
清水空跳(しみず・そらと)選手は、石川県の星稜高校に在籍する男子短距離選手です。
日本陸上競技連盟の選手プロフィールによると、2009年2月8日生まれで石川県出身。2025年7月のインターハイには、高校2年生の16歳で出場しました。
大会の正式名称は「第78回全国高等学校陸上競技対校選手権大会」です。
2025年7月25日から29日まで、広島県広島市のホットスタッフフィールド広島で開催されました。
清水選手の個人種目の公式成績は、次の通りです。
日付 種目・ラウンド 組 記録 風 組順位・総合成績 記録の扱い
7月26日 男子100m予選 7組 10秒30 向かい風1.1m 組1着・通過 公認
7月26日 男子100mタイムレース決勝 3組 10秒00 追い風1.7m 組1着・総合優勝 公認、高校新など
7月28日 男子200m予選 1組 20秒97 向かい風0.2m 組1着・通過 公認
7月28日 男子200mタイムレース決勝 1組 20秒39 追い風2.7m 組1着・総合優勝 追い風参考
出典は、広島陸上競技協会が公開した同大会の公式リザルトです。記録と風速、ラウンド、順位は2026年9月12日に同資料で再確認しました。
この大会の100mは予選の後、3組に分かれたタイムレース決勝で総合順位を決める方式でした。通常の大会で見られる準決勝はありません。
200mも9組の予選を経て、3組のタイムレース決勝で順位が決まりました。
したがって、清水選手の個人種目は予選を含む4レースすべてで組1着、二つの決勝はいずれも総合1位だったことになります。
さらに清水選手は、星稜高校の男子4×100mリレーで4走を担当しました。
本人の大会後コメントを掲載した月刊陸上競技の記事によると、リレーでは2レースを走っています。星稜は決勝の総合上位8校には入っていないため、リレーでの入賞はありませんでした。
個人2種目だけを走ったわけではないことが、200m決勝時の疲労を考えるうえで大切な点ですね。
100mでは公認の高校新記録、200mでは追い風参考ながら全国優勝。記録の扱いは異なりますが、清水選手が両種目を制して2冠を達成した事実は変わりません。
男子100mの10秒00は?高校新・U20日本新・U18日本新を達成
清水空跳選手は2025年7月26日、男子100mタイムレース決勝で10秒00を記録しました。
風は追い風1.7m。100mの公認上限である追い風2.0m以内に収まっているため、正式な公認記録です。
大会公式リザルトの新記録一覧には、次の四つが記載されています。
- U20日本記録
- U18日本記録
- 日本高校記録
- インターハイ大会記録
ここで注意したいのは、四つのうち一つが「U18世界記録」ではなく、インターハイ大会記録だという点です。
国内で正式に更新された記録と、世界の同年代を対象にした歴代比較は分けて考える必要があります。
清水選手はまず、向かい風1.1mの予選7組を10秒30で走り、1着で通過しました。
決勝では3組の3レーンに入り、リアクションタイムは0秒135。10秒00で同組1着となり、全3組を通じてもトップに立ちました。
総合2位は、決勝1組で10秒06を出した東農大二高校2年の菅野翔唯選手でした。ただし、菅野選手のレースは追い風2.4mだったため、10秒06は追い風参考記録です。
総合3位は、清水選手と同じ決勝3組を走った洛南高校3年の安川飛翔選手。記録は10秒27でした。
清水選手は、同じ組の2位に0秒27の差をつけています。100mの決勝としては、数字以上に大きく感じられる差ではないでしょうか。
従来の高校記録とU20日本記録は、桐生祥秀選手が洛南高校3年だった2013年4月29日に記録した10秒01でした。
清水選手は12年間破られなかった記録を0秒01更新。しかも、桐生選手が高校3年で出した記録を、高校2年の16歳で塗り替えました。
また、日本陸連が2026年のセイコーゴールデングランプリに向けて公開した記録解説では、清水選手の10秒00を「U18世界最高記録」と紹介しています。
それまでの10秒06を0秒06上回る記録で、17歳以下の男子選手による世界最高のパフォーマンスとして位置づけられました。
ただし、大会公式リザルトの国内新記録欄には「U18世界記録」の表記はありません。
そのため、この記事では国内の正式な更新記録は高校新・U20日本新・U18日本新・大会新、世界との比較ではU18世界最高記録と整理します。
さらに10秒00は、記録が出た2025年7月26日時点で日本男子歴代5位タイに相当しました。
高校生同士の順位争いに勝っただけではなく、日本のシニア選手を含めた歴代上位に並んだのです。これが、清水選手の一走が高校陸上の枠を越えて注目された理由でしょう。
10秒00は実測9秒995?公式に9秒台とならない理由
清水空跳選手の100mは、写真判定装置による1000分の1秒単位の計測では9秒995だったと報じられています。
それでも、公式記録は9秒99ではなく10秒00です。
日本陸上競技連盟の競技規則では、トラック競技の電気計時について、記録を100分の1秒単位で扱う場合、次の100分の1秒へ切り上げます。
一般的な四捨五入とは処理方法が異なるのですね。
9秒995は、9秒99より長く10秒00以下のタイムです。そのため、100分の1秒単位の公式記録では10秒00となります。
大会公式リザルトにも10秒00と記載されており、清水選手は公式には「9秒台の選手」ではありません。
なお、9秒995という1000分の1秒値については、大会公式リザルトの表示項目では確認できず、報道記事に基づく情報です。
公式資料で確認できる確定記録と、報道で紹介された判定装置上の詳細値を分けて示すことが、正確に伝えるうえでは欠かせません。
「実質9秒台」という表現は、感覚的な近さを表す言葉としては理解できます。
しかし、競技記録としては10秒00であり、「9秒台を出した」と書くのは正確ではありません。
それでも、9秒995まで到達していたという情報は、正式な9秒台までごく近い位置にいたことを教えてくれます。
私はこの数字を、次のレースで9秒台を出して当然という圧力ではなく、16歳ですでに大きな可能性を示した証しとして受け止めたいと感じました。
100mは風や気温、スタート、身体の状態によってタイムが変わります。公認9秒台を記録するには、追い風2.0m以内のレースで、あらためて9秒99以下を出す必要があります。
わずかな数字の違いに見えても、その境界を正式に越える難しさこそ、陸上競技の厳しさであり面白さなのでしょう。
男子200mは20秒39で優勝|予選から2冠完成まで
清水空跳選手は100m優勝から2日後の2025年7月28日、男子200mにも出場しました。
予選1組では5レーンを走り、向かい風0.2mのなか20秒97を記録。組1着でタイムレース決勝へ進みました。
予選の通過条件は、各組2着までと、それ以外の記録上位6人です。
清水選手は順位による自動通過を意味する「Q」で決勝進出を決めています。向かい風の条件で20秒台にまとめたところにも、安定した走力が表れていますね。
決勝では3組のうち最初の1組、5レーンに入りました。
公式リザルトに記載されたリアクションタイムは0秒193。スタート後のカーブで前へ出ると、ホームストレートでは後続との差を広げ、20秒39でフィニッシュしました。
その後に行われた2組、3組でも20秒39を上回る選手は現れず、清水選手の総合優勝が決定します。
総合2位は東京学館新潟高校3年の佐藤克樹選手で20秒72、3位は関大北陽高校2年の矢田篤志選手で20秒86でした。
ただし、決勝1組の風は追い風2.7mです。
公認上限の追い風2.0mを0.7m超えていたため、20秒39は自己記録や高校記録としては認められない「追い風参考記録」となりました。
当時の男子200m高校記録は、サニブラウン・アブデル・ハキーム選手が2015年に出した20秒34です。
清水選手の20秒39は数字上では0秒05差まで迫り、従来のインターハイ大会記録20秒61も上回っていました。しかし追い風参考のため、高校新記録にも大会新記録にもなりません。
ここは100mとの大きな違いです。
- 100mの10秒00:追い風1.7mのため公認され、高校新などを樹立
- 200mの20秒39:追い風2.7mのため記録は参考扱い
- 順位:風の強さにかかわらず200m優勝は有効
「追い風参考」と聞くと、結果そのものが無効になったように感じる方もいらっしゃるかもしれません。
けれども参考扱いになるのは記録です。同じレース条件で競った順位まで取り消されるわけではなく、清水選手の200m優勝と短距離2冠は正式な大会成績として残ります。

清水空跳はなぜ2冠を達成できた?前年2位からの成長
2025年インターハイの2冠は、突然現れた一度限りの結果ではありません。
清水空跳選手は中学3年だった2023年、全日本中学校陸上競技選手権の男子200mで優勝しています。
もともと100mだけに特化した選手ではなく、カーブを走る技術やスピードを持続させる力を全国大会で示していたのです。
星稜高校へ進学した2024年7月には、石川県国民スポーツ大会予選会の少年男子B100mで10秒26を記録しました。
追い風1.9mの公認条件内で、高校1年生として当時の最高記録を更新。2024年インターハイの男子100mでも10秒37で2位となりました。
高校1年で全国2位、翌年に全国優勝という順位の変化だけでも立派です。
さらに、インターハイ決勝のタイムは10秒37から10秒00へ0秒37短縮されています。高校トップ級の水準に達した後、もう一段大きく伸びたことが分かりますね。
2025年4月には、サウジアラビアのダンマームで開催されたアジアU18選手権の男子100mで優勝しました。
同年7月上旬の日本選手権では、予選で当時の自己ベストとなる10秒19を出して準決勝へ進出。シニアの有力選手が集う舞台を経験してから、約3週間後のインターハイへ向かいました。
100m決勝前には、同学年の菅野翔唯選手が先の組で追い風参考ながら10秒06を記録しています。
月刊陸上競技が掲載した清水選手のコメントによると、その走りに刺激を受けながら、自分のレースへ気持ちを高めていったことが10秒00につながりました。
決勝後には、前半は理想に近かった一方、後半は頑張りすぎて身体がついてこない部分があったとも振り返っています。
10秒00という歴史的な記録に浮かれるだけでなく、自分の走りに残った課題を見つめていたのです。この冷静さも、成長を続けてきた選手らしいところではないかしら。
200mについては、自身の持ち味である地面への「乗り込み」を意識し、カーブで身体を振られずに走れたことを好結果の理由として挙げています。
これは本人のコメントを根拠にした振り返りであり、区間タイムなどの詳細な動作分析が公表されたわけではありません。
それでも、本人が100mでは前半と後半、200mではカーブの動きを具体的に言葉にしている点から、感覚だけで走るのではなく、自分の動きを整理しながら競技に取り組んでいる様子が伝わります。
インターハイ2冠が示した清水空跳の3つの強み
筆者としては、清水空跳選手のインターハイ2冠には、単なる「足の速さ」だけでは説明できない三つの強みが表れたと考えています。
一つ目は、公認条件で記録を残す速さです。
100m決勝は追い風1.7mで、記録が正式に認められる条件でした。追い風を受けた好条件ではありますが、規則の範囲内で10秒00を出したことが、高校新記録として残る大きな意味を持ちます。
二つ目は、100mと200mの両方で勝てる技術の幅です。
100mでは、スタートから加速して最高速度へ到達し、その速度をフィニッシュまで保つ力が問われます。
200mでは、それに加えてカーブで姿勢を保つ技術、直線へ滑らかにつなぐ動き、後半までスピードを維持する力が必要です。
清水選手は中学時代から200mの全国タイトルを持ち、今回も予選を向かい風のなか20秒97で通過しました。
決勝の20秒39だけでなく、この公認20秒97も合わせて見ることで、200mの実力が追い風だけによるものではないと理解できます。
三つ目は、全国大会を最後まで戦い抜く総合力です。
清水選手は100mの予選と決勝、4×100mリレーの2レース、200mの予選と決勝を走りました。少なくとも計6レースを大会期間中にこなしたことになります。
200m決勝時には、100mで歴史的な記録を出した後の注目や疲労もあったでしょう。
本人も大会後、レースが重なったことで疲労を感じ、200mで優勝できるか不安があったと明かしています。
それでも予選を1着で通過し、決勝では予選より0秒58速い20秒39を記録しました。
もちろん、予選と決勝では風の条件が異なるため、0秒58の差をそのまま能力の上昇として比べることはできません。
それでも、必要なラウンドを確実に通過し、最後に総合1位の記録を残したことには、勝負を組み立てる力が表れています。
私には、100mの10秒00が清水選手の突出した「速さ」を示し、200m優勝が技術、持久力、集中力を合わせた「競技者としての幅」を示したように映りました。
清水選手を10秒00という一つの数字だけで語ると、この大会で見せた本当の価値を半分しか伝えられないのではないでしょうか。
清水空跳の今後は?2冠を成長の途中として見守りたい
清水空跳選手の10秒00は、記録達成時点で日本男子歴代5位タイに相当し、世界陸上東京大会の参加標準記録も突破する水準でした。
高校2年生が、日本のシニア代表を意識する領域へ一気に入ったのです。
ただし、若い選手の成長を一つの自己ベストだけで測り続けることには慎重でありたいですね。
短距離の記録は風や気温、疲労、スタート反応、レース間隔などに左右されます。次の試合で10秒00を上回れなかったとしても、それだけで成長が止まったとは判断できません。
今後を見る際には、9秒台を出せるかどうかだけでなく、次のような点にも注目したいところです。
- 異なる風や気温でも10秒0台、10秒1台を安定して出せるか
- 予選から決勝まで複数のレースをまとめられるか
- 200mで磨いた速度維持を100m後半へ生かせるか
- リレーで日本代表につながる経験を積めるか
- 成長期の身体を守りながら継続して出場できるか
清水選手自身は、9秒台や2028年ロサンゼルス五輪を目標として語っています。
10秒00から9秒99までは表示上わずか0秒01ですが、その一線を公認条件で越えるのは簡単なことではありません。
だからこそ私は、次の一走だけを急いで待つより、100mと200mを走れる総合的なスプリンターとして成長していく過程を見守りたいと感じます。
2025年インターハイは、「高校生が10秒00を出した大会」であると同時に、「一人の16歳が6レースを戦い、個人2種目で全国の頂点に立った大会」でした。
この二つを合わせて考えることが、清水選手の成績を最も正確に評価する見方ではないでしょうか。
まとめ
清水空跳選手は、星稜高校2年だった2025年の広島インターハイで、男子100mと200mを制して短距離2冠を達成しました。
100mは予選を10秒30で通過し、タイムレース決勝で10秒00を記録。追い風1.7mの公認条件内で、高校新、U20日本新、U18日本新、インターハイ大会新となりました。
世界との比較では、それまでの10秒06を上回るU18世界最高記録です。記録達成時点では日本男子歴代5位タイにも相当しました。
200mは予選を向かい風0.2mのなか20秒97で通過し、決勝を20秒39で優勝。決勝は追い風2.7mだったため記録こそ参考扱いですが、全国優勝と2冠は正式な成績です。
さらに4×100mリレーでも4走として2レースに出場しました。
100mと200mの個人4レースをすべて組1着で走り、リレーを含めた連戦の最後に2冠を完成させたこと。それが、10秒00だけでは見えてこない清水空跳選手のインターハイ成績の全体像です。
よくある質問
清水空跳選手の2025年インターハイ成績は?
男子100mと200mで優勝し、短距離2冠を達成しました。100m決勝は10秒00、200m決勝は20秒39です。
100mの10秒00は公認記録ですか?
はい。追い風1.7mで、公認上限の追い風2.0m以内でした。高校新、U20日本新、U18日本新、インターハイ大会新として公式リザルトに記載されています。
200mの20秒39も高校新記録ですか?
いいえ。追い風2.7mだったため、20秒39は追い風参考記録です。ただし、200mの優勝と100mを合わせた2冠は正式な大会成績です。
清水空跳選手は100m予選で何秒でしたか?
向かい風1.1mの予選7組を10秒30で走り、組1着でタイムレース決勝へ進みました。この大会の100mに準決勝はありません。
この記事で確認した主な資料は?
第78回全国高等学校陸上競技対校選手権大会の公式リザルト、日本陸上競技連盟の選手プロフィール・競技規則・記録解説、月刊陸上競技が掲載した大会後の本人コメントです。各記録と選手情報は2026年9月12日時点で確認しました。
筆者:春野滋(エンタメ&スポーツ愛好家ライター)

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