青木崇高さんはこれまでNHK大河ドラマに4作品出演し、2027年放送予定の『逆賊の幕臣』で5作品目を迎えます。
歴史上の人物を単純な「善役」「悪役」にせず、その人物なりの信念を丁寧に表現してきたことが、青木崇高さんの大河ドラマ出演歴を振り返ると見えてきます。
青木崇高の大河ドラマ出演歴は?全5作品を一覧で確認
青木崇高さんの大河ドラマ出演歴を年代順に整理すると、『龍馬伝』『平清盛』『西郷どん』『鎌倉殿の13人』『逆賊の幕臣』の5作品です。
『逆賊の幕臣』は2027年1月から放送予定のため、2026年9月現在では出演決定の段階ですが、これまでの4作品に続く5度目の大河出演となります。
放送年 大河ドラマ 青木崇高さんの役
2010年 龍馬伝 後藤象二郎
2012年 平清盛 鬼若→弁慶
2018年 西郷どん 島津久光
2022年 鎌倉殿の13人 木曽義仲
2027年予定 逆賊の幕臣 栗本鋤雲
こうして並べてみると、土佐藩士、武蔵坊弁慶、薩摩藩の実力者、源平合戦を駆け抜けた武将、幕末の幕臣と、実に幅広いですよね。
しかも、どの人物も主人公の横でただ立っているような役ではありません。主人公と衝突したり、物語の流れを大きく動かしたりする、強い意志を持った人物が目立ちます。
1980年生まれ、大阪府出身の青木崇高さんは、NHK連続テレビ小説『ちりとてちん』の徒然亭草々役でも広く知られるようになりました。
大河ドラマでは2010年の『龍馬伝』が初出演。そこから17年を経て、2027年の『逆賊の幕臣』では主人公・小栗忠順の生涯を通じた盟友という重要な役を担います。
ここからは、それぞれの作品でどんな人物を演じたのか、一作ずつ振り返ってみましょう。
『龍馬伝』後藤象二郎役で大河ドラマ初出演
青木崇高さんが初めて出演した大河ドラマは、2010年放送の『龍馬伝』です。
演じたのは土佐藩上士の後藤象二郎。福山雅治さんが演じた坂本龍馬とは、当初は対立する側に位置しながら、やがて土佐藩のために手を組んでいく人物でした。
土佐藩では上士と下士の間に厳しい身分差があり、下士だった龍馬たちと後藤との関係も、その社会構造を抜きにしては語れません。
青木さん自身も、後藤を「主人公・坂本龍馬に対する単純な悪役」にはしたくなかったと振り返っています。
ここが、青木さんの歴史人物への向き合い方を知るうえで、とても興味深いところではないでしょうか。
主人公に立ちはだかるから悪人、と決めつけるのではなく、「後藤には後藤の価値観がある」というところまで掘り下げようとしたのです。
役について考え、資料を読み込み、相手の芝居を受けて反応するという基本を大切にしながら人物像を組み立てていったそうです。
また『龍馬伝』の現場そのものが、青木さんに大きな影響を与えました。
自分の撮影がないときにも現場へ足を運ぶほど熱心に撮影を見学し、後年のインタビューでも、現在の表現に深く影響している作品として振り返っています。
後藤象二郎と坂本龍馬の関係も、最後まで単純な敵味方ではありません。
対立を経た二人が「清風亭会談」などを通じて接近し、土佐藩のために協力していく。その変化があるからこそ、後藤という人物に奥行きが生まれました。
大河初出演から、単なる「主人公の敵」に収まらない役を作ろうとしていたことに、青木さんらしさがすでに表れていたように私は感じます。
『平清盛』では鬼若から弁慶へ!独自の武蔵坊弁慶を表現
2度目の大河ドラマ出演は、2012年の『平清盛』でした。
青木崇高さんが演じたのは、鬼若、のちの武蔵坊弁慶です。
弁慶といえば、源義経に仕えた豪傑としてあまりにも有名ですよね。映像作品や舞台などでも繰り返し描かれてきただけに、演じる側には難しさがありそうです。
青木さんも、視聴者それぞれがすでに弁慶像を持っているからこそ、想像通りには演じたくなかったと語っています。
つまり、昔からある弁慶のイメージをそのまま再現するのではなく、「青木崇高が演じる弁慶」ならではの変化を加えようとしたわけですね。
『平清盛』では完成された豪傑としての弁慶だけではなく、比叡山の荒くれ者だった「鬼若」の時代から描かれました。
そして神木隆之介さん演じる遮那王、のちの義経と出会い、私たちがよく知る「義経と弁慶」の関係へつながっていきます。
弁慶の物語で特に有名なのが、主人・義経を守るため最期まで戦ったとされる「立ち往生」です。
青木さんはその場面の撮影について、「死」を表現しているのに強烈な「生」を感じたという趣旨の印象的な振り返りを残しています。
役者さんが歴史上の人物の最期を演じるとき、単に「死ぬ演技」をするわけではないのですね。
その人物が何を守ろうとしたのか、何のために最後まで立っていたのか。そこまで役の内側に入っていくからこそ、画面を通して伝わるものがあるのでしょう。
『平清盛』の脚本は、『ちりとてちん』でも青木さんと縁の深い藤本有紀さんが担当しました。
青木さんは藤本さんの脚本への信頼をたびたび語っています。朝ドラで大きな転機となった脚本家との縁が、大河ドラマの弁慶にもつながっていると考えると、俳優としての歩みが一本の線に見えてきますよね。

『西郷どん』島津久光役は西郷隆盛の前に立ちはだかる重要人物
3度目の大河出演となったのが、2018年放送の『西郷どん』です。
青木崇高さんが演じた島津久光は、島津斉興と由羅の子で、渡辺謙さんが演じた島津斉彬の異母弟にあたります。
主人公・西郷吉之助(のちの西郷隆盛)を演じたのは鈴木亮平さん。久光は、その西郷にとって生涯にわたって大きな存在となる人物です。
青木さんは島津久光を演じる際、人物像を深く作り込む必要があると考え、緻密に役作りを進めていました。
2018年5月27日放送の第20回「正助の黒い石」では、父・斉興が亡くなり、久光が「国父」として藩政を動かす立場へと進んでいきます。
青木さんはその変化を、蕾だった花が開いていくようなイメージで捉えていました。
久光というと、西郷と対立する人物として見てしまいがちかもしれません。
しかし青木さんが意識していたのは、ここでもやはり「単純な悪役にはしない」ということでした。
久光には久光なりに目指す薩摩藩の姿があり、知性や行動力もある。西郷との関係だけで人物全体を判断してしまえば、その複雑さが消えてしまいます。
斉彬と久光についても単純な不仲として片付けるのではなく、互いへの評価や尊敬という面を踏まえながら役を構築していました。
興味深いのは、これが『龍馬伝』の後藤象二郎役とよく似たアプローチであることです。
『龍馬伝』では坂本龍馬にとって邪魔な人物だった後藤を単純な悪役にせず、『西郷どん』でも西郷の前に立ちはだかる久光を「ただの悪」として演じない。
主人公と対立する側にも、その人自身の人生と正義がある。
この視点こそ、青木崇高さんの大河ドラマにおける役作りを読み解く重要なポイントではないかしら、と私は思います。
『鎌倉殿の13人』では木曽義仲役!4度目の大河出演
4度目の大河ドラマとなったのが、2022年の『鎌倉殿の13人』です。
青木崇高さんは木曽義仲を演じました。
『鎌倉殿の13人』は鎌倉幕府成立をめぐる人々を描いた作品で、青木さんは源平争乱の中で大きな存在感を放つ木曽義仲として登場しました。
ここで過去の出演歴と比較すると、面白いことに気づきます。
『平清盛』で演じた弁慶は源義経と深い結びつきを持つ人物。そして『鎌倉殿の13人』の木曽義仲もまた、源氏の争いを語るうえで欠かせない人物です。
同じ源平の時代を扱いながら、2012年と2022年、10年の間隔を経てまったく異なる立場の人物を演じたことになります。
俳優の大河ドラマ出演歴を振り返る面白さは、単に「何回出たか」を数えることだけではありません。
同じ歴史的時代に別の人物として戻ってきたとき、その俳優が年齢や経験を重ねたことで、人物の見え方も変わってきます。
『龍馬伝』から『平清盛』、『西郷どん』、そして『鎌倉殿の13人』。
約12年間にわたって大河ドラマの異なる時代を歩いてきた青木さんが、次に向かうのが再び幕末です。
その5作品目が、2027年の『逆賊の幕臣』なのです。
青木崇高が『逆賊の幕臣』栗本鋤雲役で5度目の大河へ
2026年4月24日、青木崇高さんが2027年NHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』に出演することが発表されました。
演じるのは栗本鋤雲(くりもと・じょうん)。
栗本鋤雲は、主人公・小栗忠順の一歩先を歩く兄貴的な存在であり、生涯を通じた盟友として描かれる予定です。
『逆賊の幕臣』は、“勝海舟のライバル”ともいわれる小栗忠順を主人公に据え、歴史の表舞台からこぼれ落ちてきた幕臣たちの活躍を描く作品です。
物語は万延元年、1860年から大きく動き始めます。
小栗は日本初の遣米使節団の中核として米艦ポーハタン号に乗り、海を渡ります。一方、日本の軍艦として随行した咸臨丸には勝海舟がいました。
しかし後世で広く知られるようになったのは、咸臨丸や勝海舟の物語ではないでしょうか。
小栗は幕府の中枢で財政・外交・軍事に携わり、西洋文明を目の当たりにした経験から近代国家づくりを急ぎますが、幕府崩壊後には明治新政府から「逆賊」と見なされることになります。
劇中では、黒船来航後の混乱から井伊直弼の暗殺、開国をめぐる対立、生麦事件、和宮の降嫁、将軍上洛、長州征討など、幕末の激動が背景となります。
財政難、国内対立、外国勢力の圧力が重なる中、小栗がどのように国の形を作ろうとしたのかが大きな軸になるわけですね。
小栗と勝はともに開明的な考えを持ちながら、進もうとする方向は異なります。
幕府という仕組みを改良しながら新しい国家へ進もうとする小栗と、幕府を解体してでも能力のある個人が活躍できる国を構想する勝。二人の違いが、幕末という時代の分岐点を浮かび上がらせます。
その小栗のすぐ近くにいる人物が、青木さん演じる栗本鋤雲です。
青木さんは出演決定時、オファーを受けるまで栗本鋤雲という人物を知らなかったことを率直に明かしています。
そのうえで経歴や生き方を調べる中、物事の本質を見ようとする強烈な知的好奇心に心をつかまれたとコメントしました。
そして栗本の目の前にいた小栗忠順を見据えながら、「日本の大転換期」をどう生き抜いた人物なのかを役に刻みたいという思いを示しています。
ここにも青木さんらしいですよね。
有名人物だから演じやすい、無名だから難しいというより、「この人物は何を考え、何を見ていたのか」から入っていく姿勢が、『龍馬伝』以来の役作りとつながっているように感じます。
『逆賊の幕臣』は2027年1月から放送予定です。
青木崇高の大河ドラマ5役に共通するものは?役作りから考察
青木崇高さんの大河ドラマ出演歴を改めて振り返ると、私はひとつ、とても興味深い共通点があると感じました。
それは、歴史の主人公だけを見ていると捉えきれない人物を多く演じていることです。
後藤象二郎は坂本龍馬と対立しながら、後には協力関係へ向かいます。
弁慶は義経の忠実な家臣という有名なイメージを持つ一方、『平清盛』では鬼若と呼ばれた若い時代から描かれました。
島津久光は西郷隆盛の前に立ちはだかりますが、久光自身にも薩摩をどう導くのかという考えがあります。
木曽義仲もまた、源氏の歴史を頼朝側だけから眺めていては見えてこない存在でしょう。
そして『逆賊の幕臣』の栗本鋤雲は、まさに「歴史の別角度」を担う人物になりそうです。
主人公の小栗忠順自身が、勝者側から語られる明治維新史では埋もれやすかった幕臣。その盟友を演じるのですから、これまで以上に「歴史を誰の目から見るのか」が重要になる役ではないでしょうか。
これは青木さんの過去の大河出演を知ってから見ると、より面白くなりそうです。
『龍馬伝』出演時、青木さんは後藤象二郎を龍馬に対する簡単な悪役にしたくないと考えていました。
『西郷どん』でも島津久光を西郷にとっての単純な悪としてではなく、賢さや行動力まで含めた一人の人物として表現しようとしていました。
そして『逆賊の幕臣』では、そもそも歴史上「敗者」とされた幕臣側から時代を見直します。
こうして3作品をつなげてみると、青木さんの大河出演歴には、歴史上の人物を勝者・敗者、味方・敵という二択に閉じ込めない役者としての姿勢が通底しているように思えるのです。
もちろん、これは過去の本人コメントと役柄を振り返ったうえでの筆者なりの見方です。
ただ、後藤象二郎から栗本鋤雲までを一本の線として眺めると、5度目の大河出演が単なる「また大河に出る」というニュース以上の意味を持って見えてきませんか。
特に『龍馬伝』と『逆賊の幕臣』は、ともに幕末を扱います。
2010年には坂本龍馬と対立・協力する土佐藩の後藤象二郎を演じ、17年後の2027年には小栗忠順の盟友・栗本鋤雲として同じ激動期を別方向から見つめることになります。
同じ幕末でも、立つ場所が変われば歴史の景色は変わります。
46歳となった青木さんが、初大河から積み上げてきた経験を栗本鋤雲にどう注ぎ込むのか。個人的には、派手な見せ場だけでなく、小栗を見つめる表情や会話の積み重ねにも注目したいところです。
まとめ|青木崇高の大河ドラマ出演歴は2027年で5作品に
青木崇高さんの大河ドラマ出演歴は、2010年『龍馬伝』の後藤象二郎役から始まりました。
2012年『平清盛』では鬼若から弁慶、2018年『西郷どん』では島津久光、2022年『鎌倉殿の13人』では木曽義仲を演じています。
そして2027年1月から放送予定の『逆賊の幕臣』では、主人公・小栗忠順の兄貴的存在で生涯の盟友となる栗本鋤雲役を務めます。
これまでの役柄を振り返ると、主人公と対立する人物であっても一面的な悪役にせず、その人自身の価値観や信念を探ろうとしてきたことが印象に残ります。
初大河『龍馬伝』から17年。再び幕末へ戻る『逆賊の幕臣』で、青木崇高さんがどんな栗本鋤雲を見せてくれるのか、じっくり見守りたくなりますね。
よくある質問
青木崇高の大河ドラマ初出演作品は?
初出演は2010年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』です。
青木崇高さんは土佐藩上士・後藤象二郎を演じ、福山雅治さん演じる坂本龍馬と対立しながら、後に協力していく人物を表現しました。
青木崇高は『西郷どん』で誰を演じた?
2018年の『西郷どん』では島津久光を演じました。
島津斉彬の異母弟であり、鈴木亮平さん演じる西郷吉之助にとって大きな壁となる人物です。青木さんは久光を単純な悪役にせず、知性や行動力を持った人物として表現することを意識していました。
青木崇高は2027年の大河ドラマで何役?
2027年1月から放送予定のNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』では、栗本鋤雲(くりもと・じょうん)役を演じます。
主人公・小栗忠順の一歩先を行く兄貴的存在で、生涯を通じた盟友として描かれる予定です。青木さんにとって『逆賊の幕臣』は5作品目の大河ドラマとなります。
春野滋

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