日向亘が『GTO』で演じる宇野とは?野球にまつわる人物設定に注目

日向亘さんが『GTOリバイバル』で演じた宇野晴翔は、野球推薦で高校に入学しながら、ケガで野球を続けられなくなった高校生です。

大好きな野球を失っただけでなく、父親から心ない言葉を浴びせられ、自分の存在意義まで見失いかける宇野。実は日向亘さん自身にも野球経験があり、その経験がバッティングやスイングといった何気ない動きにも生かされていました。

日向亘が『GTO』で演じる宇野晴翔とは?

『GTOリバイバル』で日向亘さんが演じたのは、私立相徳学院高校3年1組の生徒・**宇野晴翔(うの・はると)**です。

宇野を理解するうえで、何より重要なのが「野球」です。

宇野はもともと野球が大好きで、ひたむきに競技と向き合ってきた普通の高校生でした。そして、その実力を認められ、野球推薦で相徳学院高校へ入学しています。

ところが、ケガによって野球ができなくなってしまいます。

「好きだったスポーツを続けられない」というだけでも、高校生にとっては非常につらい出来事ですよね。

まして宇野の場合、野球は趣味の一つという位置づけではありません。推薦入学につながるほど打ち込み、自分の高校生活や将来とも深く結びついた大切な存在でした。

その野球を突然失ったことで、宇野の生活は大きく変わっていきます。

さらに深刻なのは、家庭で父親から日々ののしられるようになってしまったことです。

日向さんは2024年4月1日に公開されたFASTのインタビューで、宇野について、野球ができなくなったことをきっかけに父親から言葉によって傷つけられるようになり、大人への不信感を抱いている人物だと説明しています。

つまり宇野晴翔という人物は、単純な「野球部の高校生」ではありません。

野球を失ったことをきっかけに、自分自身の価値まで分からなくなってしまった高校生として描かれているのです。

ここが、この役を見るうえで大切なポイントではないでしょうか。

野球ができるか、できないか。

その結果だけで一人の子どもの価値まで決められてしまったら、あまりにも苦しいですよね。

『GTOリバイバル』の宇野は、そんな苦しさを抱えながら鬼塚英吉と出会うことになります。

宇野はなぜ野球ができなくなった?推薦入学後のケガが転機に

宇野晴翔は、野球推薦で相徳学院高校に入学したものの、ケガによって野球ができなくなったという設定です。

作品情報ではケガの具体的な部位などよりも、「野球を失ったことで家庭での状況まで変化した」という部分に重点が置かれています。

ここは見逃したくないところですね。

スポーツ推薦で高校に入った選手にとって、競技は単なる部活動以上の意味を持つことがあります。

もちろん推薦制度や学校によって事情は異なりますが、「自分は野球をするためにこの学校へ来た」という意識を本人が強く持っていたなら、その野球ができなくなったとき、自分の居場所までなくなったように感じても不思議ではありません。

宇野の場合には、そこへ家庭問題まで重なります。

父親から日々心ない言葉を浴びせられ、日向さんの説明では、大人への不信感を抱くとともに「自分が生きている価値」「自分がここにいる意味」といったところまで見失いつつある状態でした。

これは宇野の物語における、とても重要な構造だと私は感じました。

宇野が失ったものは、単純に「野球をする時間」だけではないんですよね。

野球選手として認められてきた自信、将来への希望、父親との関係、そして自分自身を肯定するための支え。

それらが一気に揺らいでしまったからこそ、宇野は鬼塚たち大人に対しても簡単には心を開けません。

だからこそ、反町隆史さん演じる鬼塚英吉と宇野が真正面からぶつかる場面には、大きな意味が生まれます。

日向亘本人も野球経験者!「念願の野球部」が役につながった

宇野晴翔と日向亘さんをつなぐ、興味深い共通点があります。

それが野球経験です。

日向さんは『GTOリバイバル』への出演に際し、自身のXで「念願の野球部!」という趣旨の喜びを伝えていました。

FASTのインタビューでも、日向さんは以前に野球をしていたことを明かしています。

いつか野球経験が仕事につながればいいと漠然と思っていたそうで、『GTOリバイバル』で野球に関係する役を演じることになり、その願いがかなった形になりました。

ただし、ちょっと面白いところがあります。

せっかく野球経験者の日向さんが野球部員役を演じたのに、宇野は物語が始まった時点ですでにケガをしているんですね。

そのため、華やかな野球の試合で日向さんがプレーを披露するような役ではありませんでした。

それでも、バッティングセンターでボールを打つ場面があります。

日向さん自身も、そうした場面で自分の野球経験がきちんと表現に出ていればいいと話していました。

野球をしたことのある方なら、「構えただけで経験者だと何となく分かる」という感覚があるのではないでしょうか。

日向さんも、バットのスイングだけでも経験者と未経験者ではまったく違うと語っています。

私はここが、宇野という役の隠れた見どころだと思います。

セリフで「僕は野球をやっていました」と説明するだけなら、誰でもできます。

けれども長く野球に取り組んできた高校生なら、バットを握る手つき、構え方、体重移動、振った後の体の残り方など、身体にはそれまで積み重ねてきた時間が残っているはずです。

日向さん自身に野球経験があることで、そうした**「野球をやってきた人の身体感覚」**を自然に宇野へ重ねられたのではないかと考えられます。

しかも宇野は「今まさに野球をしている少年」ではなく、「野球をしたくてもできない少年」です。

だからこそ、バッティングセンターでバットを振るという行動にも、単なるスポーツシーンとは違う切なさがにじみます。

野球経験のある俳優が、野球を失った少年を演じる。

この組み合わせは、『GTOリバイバル』の宇野晴翔という役に説得力を与える一つの要素になっていたのではないでしょうか。

『GTO』宇野と鬼塚の対峙はなぜ重要?日向亘も緊張した撮影

宇野晴翔の物語でもう一つ注目したいのが、反町隆史さん演じる鬼塚英吉との対峙です。

日向亘さんにとっても、この場面は特別な撮影になりました。

『GTOリバイバル』は、1998年に放送された反町隆史さん主演のドラマ『GTO』から26年を経て制作された作品です。

2004年3月18日生まれの日向さんは、当然ながら1998年版のリアルタイム世代ではありません。

一方、日向さんの両親は当時の『GTO』に熱中していたそうで、息子が新作の生徒役に決まったことをとても喜び、うらやましがっていたといいます。

世代を超えて同じ作品につながっているというのも素敵ですよね。

日向さん自身は、AKIRAさん主演版の『GTO』を小学生のころに見て夢中になっていたため、鬼塚英吉がどんな教師なのかは知っていました。

しかし「反町隆史さんの鬼塚」を理解するため、クランクイン前には過去の映像を見て予習したそうです。

そして実際に鬼塚と宇野が対峙する撮影へ。

宇野が自分の胸の内を感情的に鬼塚へぶつける重要な場面で、日向さんは普段の自分からは想像できないほど緊張したと振り返っています。

反町さんが演じる鬼塚の気迫や存在感に圧倒されそうになりながら、「どう立ち向かうのか」を考えて撮影へ臨んだのです。

しかも興味深いことに、この場面の前に二人で細かく芝居を作り込んだわけではありません。

日向さんによれば、お互いが集中していたため、撮影直前にはそれほど話す時間がなかったそうです。

つまり、カメラが回った瞬間に生まれた緊張感そのものが芝居にも反映されたと考えられます。

これは宇野という役には、とても相性のいい状況だったのではないでしょうか。

宇野は大人に不信感を抱いています。

そんな少年が、圧倒的な存在感を持つ鬼塚という大人を目の前にして、自分の感情をぶつける。

演じる日向さん自身も反町さんの存在感に緊張しながら、それでも負けまいと向かっていったわけです。

俳優・日向亘が反町隆史に食らいつこうとする感覚と、宇野晴翔が鬼塚英吉にぶつかっていく感情が重なった場面として見ると、また違った味わいが出てきますね。

反町さん自身は、日向さんによれば気さくに挨拶してくれる物腰の柔らかな方だったそうです。

それでも日向さんが緊張してしまったというところに、26年ぶりに鬼塚を演じる反町さんの存在感の大きさがうかがえます。

日向亘は宇野の苦悩をどう演じた?監督と現場で作った人物像

野球経験については日向亘さん自身と宇野に共通点がありましたが、宇野が抱える深い挫折や家庭での苦悩については、日向さん自身にとって簡単に理解できるものではありませんでした。

だからこそ、役作りではかなり悩んだそうです。

日向さんは本読みの前、自宅で台本を読みながら、宇野をどのように表現するべきなのか何通りも考えていました。

しかし考えれば考えるほど、どれが正解なのか分からなくなったといいます。

そして本読みの日、日向さんは監督に、自分なりに複数のパターンを考えたものの、どれがよいのか決められなかったことを率直に相談しました。

すると監督も、宇野というキャラクターをどのように作るべきか悩んでいる段階だったそうです。

そこで、最初から一つの人物像に固定するのではなく、撮影現場で一緒に探り、話し合いながら宇野を作っていくことになりました。

このエピソードを知ると、宇野が単純な「かわいそうな生徒」として作られたキャラクターではないことがよく分かります。

野球ができなくなった。

父親との関係が悪化した。

大人を信用できなくなった。

自分の存在意義まで見失いかけた。

それほど複雑な状態にある高校生なら、いつも怒っているとも限りませんし、いつも落ち込んでいるとも限りませんよね。

強がる日もあれば、誰かに助けてほしい日もあるでしょう。

親を嫌いだと思いながら、それでも本当は認めてもらいたい気持ちが残っていることだって考えられます。

一つの感情だけで説明できないからこそ、現場で一場面ずつ感情の起伏を探していく方法は、宇野という少年を表現するうえで意味のあるアプローチだったように感じます。

日向さん自身も、監督から「一緒に探っていこう」という方向性を示されたことで気持ちが軽くなり、その都度セッションしながら芝居を組み立てていけるようになったと話していました。

野球経験という自分の中にあるものは自然に生かす。

一方、自分が経験していない苦悩については、分かったふりをせず、監督と相談しながら丁寧に作る。

俳優として、とても誠実な役への向き合い方ではないかしら、と私は感じました。

宇野晴翔の野球設定から見える『GTOリバイバル』のテーマとは?

宇野の野球設定を掘り下げていくと、『GTOリバイバル』が描こうとした「令和の高校生の悩み」も見えてきます。

2024年4月1日にカンテレ・フジテレビ系で放送された『GTOリバイバル』は、反町隆史さん演じる鬼塚英吉が私立相徳学院高校へ赴任するところから物語が展開します。

学校では、フォロワーが200万人近くいる暴露系インフルエンサー「裁ノカ笑」が問題になっていました。

教師や生徒が次々と晒されていたため、犯人が学校内にいるのではないかという疑いまで生まれ、生徒同士が互いの顔色をうかがう状況になっています。

そこへやって来るのが鬼塚です。

鬼塚が副担任となる3年1組には、宇野以外にも家庭や社会の問題に苦しむ生徒がいます。

八木莉可子さん演じる市川すずかは、仕事一筋の父・市川晃一との関係に問題を抱えています。

畑芽育さん演じる遠藤凛は、父親の会社の不正を「裁ノカ笑」に暴露され、会社が倒産したことで、それまでの生活が一変しています。

そして日向亘さん演じる宇野晴翔は、野球推薦で入学したにもかかわらず、ケガによって野球ができなくなり、父親との関係にも苦しんでいる。

一見すると、それぞれ違う問題です。

ところが共通しているのは、高校生自身だけでは簡単に解決できない大人や社会の事情によって、子どもたちの日常が揺さぶられていることではないでしょうか。

日向さんも作品の見どころとして、インターネットやSNSが当たり前になった時代だからこそ起こる問題が描かれていると説明しています。

暴露系インフルエンサーだけでなく、パパ活や闇バイトといった令和ならではの社会問題にも触れる作品になっていました。

26年前とは、学校も社会も大きく変わっています。

だから『GTOリバイバル』は、昔の鬼塚をそのまま現代へ連れてくるだけでは成立しません。

かつての鬼塚らしい熱さを残しながら、「今の時代なら教師は生徒へどこまで踏み込めるのか」という問いも含んだ作品になっています。

そして宇野の物語も、その問いを考える材料の一つです。

父親との関係で傷つき、大人への信頼を失っている少年に対して、大人である鬼塚や綾原美結はどう向き合うのか。

ここに、宇野晴翔というキャラクターを登場させる大きな意味があるのでしょう。

日向亘と宇野の野球経験を重ねて見ると役の深さが分かる

ここからは私見になりますが、宇野晴翔の設定で特に印象的なのは、「野球が上手な少年」ではなく「野球を失った少年」として描かれていることです。

もし宇野が現役バリバリの野球部員なら、日向亘さん本人の野球経験は、投球や打撃といった技術面で分かりやすく生かされたでしょう。

ところが実際の宇野はケガをしています。

つまり日向さんに求められたのは、野球経験者として上手にプレーすることだけではなく、「本当は野球を続けたかった人」に見えることだったのではないでしょうか。

ここに私は面白さを感じます。

スポーツを続けてきた人の経験は、技術だけに残るものではありません。

バットを握ったときの自然な手の位置、構えたときの重心、ボールを見る視線、スイングしたときの身体の連動。

そうした細かな部分に、それまで過ごしてきた時間が表れます。

日向さん自身が「スイングだけでも経験者かどうかは違う」という趣旨で語っていたことを踏まえると、バッティングセンターの場面は単なるサービスシーンとして見るより、宇野が確かに野球と生きてきたことを身体で伝える場面として見ると興味深いのではないでしょうか。

そして、それだけ野球が身体に染みついている少年だからこそ、「もう野球ができない」という現実の重さも伝わってきます。

私は子どもたちのスポーツを見ていると、どうしても結果に目が行きがちな大人の怖さを感じることがあります。

試合に勝った、負けた。レギュラーになった、なれなかった。記録が伸びた、伸びなかった。

もちろん競技である以上、結果は大切です。

けれども、その結果と子ども自身の価値は、本来まったく別のものですよね。

宇野は野球ができなくなったことで、家庭の中でも自分の価値を否定されるような状況へ追い込まれていきます。

だから鬼塚との出会いで問われるのは、「宇野はもう一度野球ができるのか」ということだけではないのでしょう。

野球ができなくても宇野晴翔は宇野晴翔である――そのことを本人が取り戻せるかどうか。

私はそこに、この人物の物語の芯があるように感じました。

そして、日向さん自身が役を簡単に理解したつもりにならず、監督と一緒に悩みながら感情を作っていったというエピソードも、この役を見るうえで忘れたくありません。

反町隆史さんの鬼塚に圧倒されそうになりながら、それでも宇野として真正面から感情をぶつける。

野球経験者として自然にバットを振る一方で、自分には経験のない深い挫折については慎重に想像する。

そうした一つひとつの積み重ねが、宇野晴翔という難しい高校生役につながったのだと思います。

まとめ

日向亘さんが『GTOリバイバル』で演じた宇野晴翔は、野球推薦で相徳学院高校へ入学したものの、ケガによって野球ができなくなった高校生です。

野球を失ったことをきっかけに父親から心ない言葉を浴びせられ、大人への不信感を募らせ、自分自身の存在意義まで見失いつつありました。

そんな宇野が、反町隆史さん演じる鬼塚英吉や、岡崎紗絵さん演じる綾原美結と向き合うことでどう変化するのかが、大きな見どころになっています。

そして見逃せないのが、日向亘さん自身にも野球経験があることです。

宇野はケガをしている設定のため野球の技術を存分に披露する役ではありませんが、バッティングセンターでボールを打つ場面などには、日向さんが実際に野球をしてきた経験が生かされました。

「念願の野球部」という思いで臨んだ日向さんと、何よりも好きだった野球を失ってしまった宇野。

この対照的な関係を知ってから作品を見ると、バットを振る一つの動作にも、より深い意味を感じられるのではないでしょうか。

よくある質問

日向亘が『GTOリバイバル』で演じた役は誰?

日向亘さんは、私立相徳学院高校3年1組の生徒宇野晴翔を演じました。

野球推薦で入学したものの、ケガによって野球ができなくなり、家庭でも父親との関係に苦しんでいる高校生です。

日向亘は本当に野球経験者?

はい。日向亘さん本人が、以前に野球をしていた経験があることを明かしています。

以前から野球経験が仕事につながればいいと思っていたそうで、『GTOリバイバル』への出演によって念願がかなった形になりました。バッティングセンターで打つ場面では、その経験も生かされています。

宇野晴翔はなぜ鬼塚と対立するの?

宇野はケガで大好きな野球を失い、さらに家庭で父親から心ない言葉を浴びせられることで、大人への不信感を抱えています。

そのため鬼塚とも簡単には打ち解けません。日向さんが反町隆史さんの気迫に圧倒されそうになりながら演じた、宇野が鬼塚へ感情をぶつける場面は、二人の関係を見るうえで重要なポイントです。

CATEGORY: 俳優
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