白井空良選手は池慧野巨選手と寒川町の「THE PARK SAMUKAWA」を設計・プロデュースし、同町へ移住して活動拠点としています。
出身地や競技の原点は相模原市ですが、2019年の大会優勝を機に寒川町との縁が深まりました。大会開催から施設開業、ホームパーク化、移住へと発展した経緯を、資料ごとの表記の違いも含めて整理します。
白井空良と寒川町の関係は?大会優勝から移住まで
白井空良選手と寒川町の関係は、2019年の「ARK LEAGUE 2019 IN SAMUKAWA」優勝と、屋内施設「THE PARK SAMUKAWA」の共同設計から始まりました。
その後、同施設をホームパークとして利用するようになり、寒川町へ住まいも移しています。寒川町出身ではありませんが、競技生活に欠かせない拠点を置く「寒川町ゆかりの選手」なのですね。
2019年4月に寒川町で開催された大会で優勝
最初の大きな接点は、2019年4月に寒川町で開催された「ARK LEAGUE 2019 IN SAMUKAWA」です。
白井空良選手はスケートボード部門の「SKATE ARK」で優勝しました。寒川町が2026年6月22日に公開した「白井空良選手が『WSTワールドカップ・ストリート2026ローマ』優勝!」では、この結果を白井選手の世界大会初優勝と紹介しています。
ここで注意したいのは、「世界大会」という位置づけが寒川町の公式紹介で用いられている表現だということです。
国際競技連盟が認定する世界選手権と同じ大会区分である、という意味まで広げて受け取るのではなく、世界の選手が集まるストリートスポーツ大会で白井選手が優勝した、と理解するのが適切でしょう。
寒川町は、白井選手が国際舞台へ飛躍していく過程で、印象的な優勝を飾った場所になりました。
2020年に白井と池慧野巨がパークを共同設計
大会の翌年には、寒川町倉見の工業用倉庫を改装した「THE PARK SAMUKAWA」が誕生しました。
施設公式サイトの「ABOUT」では、ARK LEAGUE主宰者でプロBMX選手の内野洋平さんが、十分に練習できる場所の重要性を感じ、BMXだけでなく世界基準のスケートボード室内練習場も作ろうと考えた経緯が説明されています。
そこで設計を依頼されたのが、2019年のSKATE ARK優勝者である白井空良選手と、2017年大会準優勝者で2018年アジア競技大会金メダリストの池慧野巨選手でした。
つまり、白井選手が一人で施設全体を設計したわけではありません。正確には、白井空良選手と池慧野巨選手がスケートボードエリアを設計・プロデュースした施設です。
2020年10月30日には、白井選手、池選手、瀬尻稜選手らが出席した合同記者会見と公開練習が行われました。同日公開されたアクションスポーツメディア「FINEPLAY」の開設リポートでも、白井選手と池選手が世界大会基準の視点で設計したと報じられています。
THE PARK SAMUKAWAの開業日はいつ?
施設公式サイトの「ABOUT」には、2020年11月1日に寒川町倉見でTHE PARKが誕生したと明記されています。
一方、寒川町が2026年6月22日に公開した白井選手の紹介には、「2021年、寒川町倉見にオープン」と記載されています。
同時期の施設側資料と2020年10月30日の開設報道を照合すると、一般向けの開業日は2020年11月1日と見るのが自然です。ただし、寒川町の後年資料には2021年という表記もあるため、記録上の違いとして残しておく必要があります。
資料の発信主体と記載内容を並べると、次のようになります。
時期 出来事・資料の記載
2019年4月 ARK LEAGUE 2019 IN SAMUKAWAのSKATE ARKで白井選手が優勝
2020年10月30日 合同記者会見と公開練習を実施。FINEPLAYが開設リポートを公開
2020年11月1日 THE PARK公式サイト「ABOUT」が示す開業日
2021年7月 地域報道で白井選手のホームパークとして紹介
2024年8月2日 寒川町「寒川からパリへ!」で、町内への転居と活動拠点化を紹介
2026年6月22日 寒川町の選手紹介で、施設監修、活動拠点移転、移住を改めて明記
この時系列から分かるのは、大会で生まれた縁が、施設づくりと日常的な練習環境へつながったことです。
一度大会に出場しただけの関係ではありません。優勝者、共同設計者、利用選手、町の住民という形で、白井選手と寒川町の関係が段階的に深まったのですね。
THE PARK SAMUKAWAとは?共同設計された施設の特徴
THE PARK SAMUKAWAは、神奈川県高座郡寒川町倉見にある、スケートボードとBMXフラットランドの複合施設です。
2026年8月16日に確認した施設公式サイトでは、所在地を〒253-0101 神奈川県高座郡寒川町倉見1385と案内しています。2020年当時の一部記事には倉見1384という表記もありますが、訪問時には現在の公式住所を基準にするのが安心です。
施設の主な特徴は次のとおりです。
項目 内容
施設名 THE PARK SAMUKAWA
所在地 神奈川県高座郡寒川町倉見1385
施設形態 工業用倉庫を改装した屋内型施設
対応競技 スケートボード、BMXフラットランド
スケートエリア設計 白井空良選手、池慧野巨選手
BMXエリア FLAT ARKで使用されるステージを採用
主な利用形態 一般利用、スクール、体験会、イベントなど
屋内施設なので雨天でも利用しやすく、スケートボード側にはコンクリート路面とストリート競技用のセクションが用意されています。
「セクション」とは、階段や斜面、縁石、レールなど、選手が技を仕掛ける構造物のことです。ストリート競技では、こうした障害物をどの順番で使い、どのような技を成功させるかが見どころになります。
白井空良が希望した屋内コンクリートパーク
2020年10月30日公開のFINEPLAYによると、白井選手は世界のパークではコンクリート路面が基準である一方、日本には屋内のコンクリートパークが少ないという趣旨の説明をしています。
さらに、施設建設が決まった段階から内野洋平さんに、屋内コンクリートパークを作ってほしいと頼んでいたことも明かしました。
完成後に名前を貸したのではなく、白井選手が海外で滑った経験から国内練習環境に必要だと感じた条件を伝え、それが実際の施設になったのです。
コンクリートと木製路面では、滑走時の感触や音、スピードの乗り方、着地時にボードから伝わる感覚が異なります。海外大会に近い路面で日常的に練習できることは、世界を転戦する選手にとって大きな意味を持つと考えられます。
池慧野巨が語った大きさと配置の工夫
共同設計した池慧野巨選手は、同じ開設リポートで、施設が広すぎず、セクションの大きさも適切で、けがをしにくい設計を意識したという趣旨の説明をしています。
公開されている施設映像を見ると、階段、レール、バンクなどが単独で離れているのではなく、限られた屋内空間の中に連続して配置されている様子が確認できます。
ストリート競技では、一つの技だけでなく、助走から障害物へ入り、着地後に次の動きへつなげる「ライン」の組み立ても重要です。
筆者としては、単に障害物をたくさん置くのではなく、限られた空間で繰り返し技を試せることが、この設計のポイントだと感じます。これは施設の公開映像と、白井・池両選手が語った路面、大きさ、セクションに関する説明を合わせた見方です。
ただし、個々のセクションの寸法や角度、参考にした特定の大会会場までは公表されていません。「五輪会場を再現した」などと断定することはできませんので、その点は分けて考えたいですね。

白井空良の原点は相模原、寒川は成長後の活動拠点
白井空良選手は寒川町出身ではなく、神奈川県相模原市中央区の出身です。
スケートボードを始めたのは5歳頃で、幼少期の練習場所として知られているのが相模原市立小山公園ニュースポーツ広場です。自宅から自転車で約15分の公共施設へ通い、繰り返し滑りながら基礎を築きました。
学校についても、相模原市立富士見小学校、相模原市立中央中学校、光明学園相模原高等学校へ進んだと伝えられています。
一方、THE PARK SAMUKAWAが開業した2020年には、白井選手はすでに国内外の大会で実績を重ねていました。
両地域の役割を整理すると、相模原市は競技を始めて基礎を築いた原点、寒川町は世界を経験した後に自ら施設づくりへ参加した活動拠点となります。
寒川町が2024年8月2日に更新した「寒川からパリへ!~出場選手と競技の紹介」には、白井選手が寒川町へ住まいを移し、倉見のTHE PARK SAMUKAWAを活動拠点としていることが明記されています。
同年9月6日更新の「パリ2024オリンピック日本代表の白井空良選手が町長を表敬訪問」でも、普段から同施設で技を磨いていると紹介されました。
2026年6月22日の寒川町による選手紹介では、施設のスケートボードセクションを監修し、寒川町へ活動拠点を移して移住したという経緯が、さらに明確に説明されています。
身近な公園で滑り始めた少年が、世界のパークを知る選手へ成長し、今度は練習環境を作る側になりました。
私はここに、白井選手と寒川町の関係の一番大切な部分があると思います。寒川町は単なる転居先ではなく、白井選手の競技経験が地域の施設として形になった場所なのです。
THE PARK SAMUKAWAは一般利用できる?
THE PARK SAMUKAWAはトップ選手だけの専用練習場ではなく、条件を満たせば一般の利用者も利用できます。
施設公式サイトでは、BMXとスケートボードの一般利用、スクール、イベントなどを案内しています。寒川町が2025年6月11日に更新した施設紹介ページでは、町民特典として利用料金半額と、月2回程度の無料体験教室も紹介されました。
2026年8月16日に確認した施設公式料金ページでも、寒川町民向けの半額料金が掲載されています。
ただし、スケートボードエリアについては、中上級者または初心者向けスクールを受講して合格した人が利用できるという条件があります。初めて滑る方が、いきなり自由に入場して利用できるとは限りません。
初心者の方は、対象スクールや無料体験会の参加条件を事前に確かめておきましょう。
営業時間や料金は利用前に確認
2026年8月16日時点の施設公式サイトでは、通常営業時間を次のように案内しています。
- 平日:13時から21時
- 土日祝日:12時から21時
- 最終受付:20時
- 定休日:不定休
一方、イベント、スクール、貸切、選手向けキャンプなどにより、一般営業時間が変更される日もあります。
実際に施設公式サイトは2026年7月28日付の「8月の一般営業時間一部変更のお知らせ」で、一部の日程について16時からの営業や、一般営業を行わない日を告知しています。
料金や利用区分も改定される可能性があるため、訪問日当日の公式情報を確認することが大切です。
また、寒川町の施設紹介ページでは、駐車場での会話、アイドリング、喫煙を控えるよう呼びかけています。地域に根づく施設として長く運営していくには、利用者が近隣の生活環境へ配慮することも欠かせませんね。
THE PARKと白井空良の成績はどう結びつく?
THE PARK SAMUKAWAが白井選手の活動拠点であることは、寒川町と施設の公式情報から確認できます。
ただし、白井選手の国際大会での成績が、この施設だけによって生まれたと断定することはできません。
白井選手は施設開業前の2019年に、寒川町のSKATE ARKだけでなく、ブラジルで開催された「Oi STU OPEN」でも優勝していました。すでに世界で結果を残していた選手が、自身の経験を新しい練習場へ持ち込んだという順序です。
施設開業後には東京2020オリンピックへ出場し、2024年のパリオリンピック男子ストリートでは4位に入りました。
寒川町が2024年9月6日に公開した町長表敬訪問の記事では、白井選手が体調の厳しい状況にありながら、自分の実力を出せたという趣旨を振り返り、4年後のロサンゼルス大会を目指す考えも伝えています。
また、寒川町が2026年6月22日に発表した大会結果によると、白井選手は同年6月14日から21日までイタリア・ローマで行われた「WSTワールドカップ・ストリート2026ローマ」で優勝しました。
決勝得点は177.92点で、2位は根附海龍選手の172.19点、3位は佐々木音憧選手の168.41点。日本勢が表彰台を独占しています。
これらの成績と寒川での練習には時期的な重なりがありますが、個別の大会結果を施設だけの効果として説明するのは慎重であるべきでしょう。
白井選手の実力は、相模原で始めた幼少期からの練習、国内外の大会経験、技の創造力、試合での判断、周囲の支援など、多くの要素が積み重なった結果です。
THE PARK SAMUKAWAについて確実にいえるのは、本人が共同設計に携わり、完成後に活動拠点として継続的に利用していることです。
代名詞となっているオリジナルトリック「ソラグラインド」についても、寒川町の公式紹介では白井選手の特徴として取り上げられていますが、THE PARKで生まれた技だとは説明されていません。
魅力的な物語にまとめたくなるところですが、確認できない因果関係を付け足さないことも、選手本人の長年の努力を正しく伝えるために必要だと私は思います。
白井空良と寒川町の関係から見える施設設計の価値
白井空良選手と寒川町の関係で特に注目したいのは、選手が施設の利用者にとどまらず、共同設計者になったことです。
海外大会を経験してきた選手は、路面の材質、助走距離、レールへ入る角度、着地後の流れなどを体で理解しています。その感覚は、図面上の数字だけでは完全に表しにくいものではないでしょうか。
THE PARK SAMUKAWAでは、白井選手が屋内コンクリート環境の必要性を伝え、池選手が施設の大きさやセクションの設計意図を説明しています。
両選手の言葉と公開映像からは、海外大会に近い路面を用意し、広すぎない屋内空間で実践的な練習を繰り返せるようにするという設計思想が読み取れます。
これは有名選手の名前を施設へ掲げるだけの取り組みとは異なります。選手が世界で得た知見を、設備として地域に残しているからです。
さらに、寒川町は2019年の大会開催を一過性のイベントで終わらせませんでした。
翌年には日常的に使える施設が開業し、一般利用、スクール、町民向け体験会へと接点が広がりました。大会で生まれた熱気を、地域の子どもや競技を始めたい人が触れられる環境へ変えたのです。
筆者としては、白井選手の競技経験が一人の練習だけでなく、次の利用者にも共有される点を高く評価したいです。
トップ選手と初心者が同じ環境をまったく同じように使えるわけではありませんが、世界を知る選手が設計した施設に、スクールや体験会という入り口が用意されていることには大きな地域的価値があります。
施設を維持するには、安全管理、設備の補修、初心者への指導、近隣への配慮も必要です。選手、運営者、町、利用者がそれぞれ役割を果たしてこそ、寒川町ならではのストリートスポーツ文化が育っていくのではないでしょうか。
まとめ
白井空良選手と寒川町の大きな接点は、2019年4月の「ARK LEAGUE 2019 IN SAMUKAWA」でした。白井選手はSKATE ARKで優勝し、寒川町の公式紹介では世界大会初優勝とされています。
2020年には寒川町倉見にTHE PARK SAMUKAWAが誕生しました。白井選手は単独ではなく、池慧野巨選手とスケートボードエリアを設計・プロデュースしています。
施設公式サイトが示す開業日は2020年11月1日ですが、寒川町の後年資料には2021年オープンという記載もあります。発信主体によって表記が異なるため、同時期の施設資料を基準にしつつ、資料差も明記しておくのが正確です。
白井選手の出身地と競技の原点は相模原市です。その後、世界を経験した選手として寒川町の施設づくりへ参加し、THE PARK SAMUKAWAを活動拠点として町内へ移住しました。
相模原は白井空良選手がスケートボードを始めた原点、寒川は白井空良選手と池慧野巨選手が施設を共同設計し、白井選手が生活と競技の拠点を置いた町と整理すると、両地域との関係が分かりやすいでしょう。
よくある質問
白井空良選手は寒川町出身ですか?
いいえ。白井空良選手は神奈川県相模原市中央区の出身です。
寒川町では2019年のARK LEAGUEで優勝し、THE PARK SAMUKAWAの共同設計に携わりました。その後、寒川町へ住まいと活動拠点を移しています。
THE PARK SAMUKAWAは白井空良選手が一人で設計したのですか?
いいえ。施設公式サイトによると、スケートボードエリアの設計を依頼されたのは白井空良選手と池慧野巨選手です。
白井選手は屋内コンクリートパークの必要性を伝え、両選手の海外大会経験を生かした施設としてプロデュースされました。
THE PARK SAMUKAWAは一般の初心者も利用できますか?
一般利用や初心者向けスクール、寒川町民向け体験会が案内されています。
ただし、スケートボードエリアには利用条件が設けられています。料金、対象、開催日、営業時間が変わる場合もあるため、利用前に施設の最新公式案内を確認してください。
執筆:春野滋(エンタメ&スポーツ愛好家ライター)


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