鵜澤飛羽選手と謝震業(シエ・ジェンイエ)選手は、瓜二つというより、引き締まった輪郭や集中時の目元、競技中の精悍な雰囲気が重なると似て見える2人だと私は感じます。
そして2人は見た目だけの比較対象ではありません。2023年7月16日のアジア選手権男子200m決勝で直接対決し、鵜澤選手が20秒23で優勝、謝選手は20秒66で4位となっています。
鵜澤飛羽と謝震業は似てる?顔の特徴を比べると
まず大前提として、人の顔が似ているかどうかは主観的なものです。
鵜澤飛羽選手と謝震業選手についても、「そっくり」と客観的な事実のように断定することはできません。写真の角度や撮影時期、髪型、表情、照明によっても印象はかなり変わりますよね。
そのうえで私が競技写真などを見比べると、特に似た雰囲気を感じるのは次のようなところです。
- 輪郭:2人とも競技中は顔まわりがすっきりして見え、精悍な印象がある
- 眉・目元:スタート前に集中すると目線が鋭くなり、表情全体が引き締まる
- 口元:真剣な場面では口元を締めるため、落ち着いた雰囲気になる
- 競技中の表情:笑顔よりも集中した顔では、全体の印象が近づいて見える
- 立ち姿:鍛えられた短距離選手らしい姿勢が、顔を含めた印象にも影響する
反対に、リラックスした表情や笑顔では、それぞれの個性がかなり出てきます。
ですから私としては、「顔のパーツが一つ一つそっくり」というより、「レース前の真剣な表情を同じような角度で見ると似て感じることがある」という表現が一番しっくりきます。
ここは意外と大切なところです。
私たちは誰かを「似ている」と感じるとき、目や鼻の形だけを機械的に比べているわけではありません。髪型や姿勢、表情、体格、その場の空気までひっくるめて印象を受け取っているものですよね。
鵜澤選手と謝選手も、そうした顔以外を含めた「全体の雰囲気」が近づく瞬間のある2人なのではないかしら。
ただし、今回「ネットでそっくりと大きな話題になっている」と確認できる一次的な根拠までは見当たりませんでした。
そのため本記事では、あくまで筆者が2人の写真や競技時の印象を比較したものとして見ていきます。
鵜澤飛羽と謝震業は2023年アジア選手権200mで直接対決
2人の比較で何より興味深いのが、実際に同じ200m決勝を走っていることです。
2023年7月16日、タイ・バンコクのスパチャラサイ国立競技場で行われた第25回アジア陸上競技選手権大会男子200m決勝で、鵜澤飛羽選手と謝震業選手は直接対決しました。
日本陸上競技連盟の大会記事によると、鵜澤選手は当時筑波大学所属。
対する謝選手は、200mで19秒88というアジア記録を持つ中国のトップスプリンターとして決勝に進んでいました。
さらにカタールのフェミ・セウン・オグノデ選手も19秒97の自己記録を持っており、若い鵜澤選手にとっては実績十分の選手たちを相手にした決勝だったのです。
そしてWorld Athletics公式記録による決勝結果は次の通りでした。
順位 選手 国・地域 記録
1位 鵜澤飛羽 日本 20秒23
2位 楊俊瀚 チャイニーズ・タイペイ 20秒48
3位 上山紘輝 日本 20秒53
4位 謝震業 中国 20秒66
風は向かい風0.4m/sでした。
つまり、この記事で比較している鵜澤選手と謝選手だけを見ると、鵜澤選手20秒23、謝選手20秒66。差は0秒43だったことになります。
これはぜひ押さえておきたい事実です。
元の記事では鵜澤選手の優勝記録ばかりに目が向きがちでしたが、謝選手自身の順位とタイムまで並べて初めて、「2人がどんな直接対決をしたのか」がはっきり見えてきます。
鵜澤選手の20秒23は、それまで日本選手権で出していた20秒32の自己ベストを更新するもので、日本陸連は当時、大会新記録、日本歴代8位タイ、学生歴代2位と紹介しています。
上山紘輝選手も20秒53で3位に入り、日本勢が金メダルと銅メダルを獲得しました。
一方、謝選手は20秒66で4位。
19秒88の自己ベストを持つ選手だけに、自己記録だけを比べれば謝選手が大きく上回っていましたが、この日の決勝では鵜澤選手が先着したのです。
ここに短距離競技の面白さがありますね。
自己ベストは選手の能力を知る大切な数字ですが、自己ベストが速い選手が毎回そのまま勝つわけではありません。
その日のコンディション、予選・準決勝からの疲労、レース展開、風、そして大舞台で自分の走りを崩さない力まで含めて勝負になります。
見た目の「似てる?」から調べ始めても、2人にはこんな本格的な勝負の物語があるのです。
鵜澤飛羽はなぜ謝震業を上回れた?200m決勝を分析
2023年アジア選手権の決勝を振り返ると、鵜澤選手の強さとして特に浮かび上がるのが、先行されても自分の走りを崩さなかったことです。
日本陸連は決勝について、鵜澤選手がホームストレートでトップに立ち、それまでのレースでも見せていた終盤の強さを発揮したと伝えています。
200mは100mのような完全な直線ではありません。
前半はカーブを走り、そこからホームストレートへ入ってゴールを目指します。そのため、単純な最高速度だけではなく、カーブから直線へスピードをつなぐこと、そして終盤まで失速を抑えることが重要になります。
この決勝で興味深いのは、鵜澤選手自身が謝選手の走りをかなり意識していたことです。
日本陸連に掲載されたレース後コメントでは、謝選手やオグノデ選手が出場すると知ったとき、鵜澤選手は強豪の存在に緊張したことを明かしています。
しかし同時に、「前へ出られたときに自分の走りを続けられるか」という点を世界で戦うための課題として考えていたことも語っています。
実際のレースでは、謝選手が鵜澤選手の想像以上に前へ出ました。
鵜澤選手はその走りについて、世界で戦ってきた選手らしい勝負強さを感じたという趣旨で振り返っています。
ここから分かるのは、鵜澤選手が最初から余裕でリードして勝ったレースではなかった、ということです。
前半から中盤にかけて強い相手に先行される状況があり、それでも焦りを抑えてホームストレートで逆転した。
私は、この展開こそ20秒23という数字以上に注目したいポイントだと感じています。
短距離はほんのわずかな判断や力みでもフォームが崩れます。
特に自分より実績のある選手が前に見えれば、「追いつかなければ」と必要以上に力を入れてしまうことも考えられます。
それでも鵜澤選手は、自分の走りを大きく壊さず終盤へつなげました。
日本陸連の記事でも鵜澤選手の「終盤の強さ」が強調されていますが、私はそこにフィジカルだけではないレース中の冷静さも表れていたように感じます。

謝震業の19秒88はどれほど速い?
ここで、謝震業選手の200m自己ベストにも触れておきましょう。
World Athleticsの公式プロフィールでは、謝選手の自己ベストは19秒88。
2019年7月21日にロンドンのオリンピックスタジアムで記録されたもので、当時アジア記録となりました。
World Athleticsの当時のレース記事によると、謝選手はカーブを終えた段階では5番手でしたが、直線で次々と前の選手をかわして19秒88で優勝しています。
これがまた面白いところなのです。
2023年アジア選手権では、鵜澤選手が終盤に前へ出て謝選手を上回りました。
一方、謝選手自身が19秒88を出した2019年のロンドンでは、謝選手こそが直線で順位を上げて勝った選手でした。
つまり2人とも、自己最高レベルのレースでは単純な「前半逃げ切り型」ではなく、ホームストレートで勝負を動かした実績があるのです。
顔の印象だけで始めた比較ですが、走りを調べるとこんな共通点まで見えてくるのは興味深いですよね。
もちろん、4年前と2023年の別レースを単純比較して「同じ走法」と断定することはできません。
それでも、直線へ入ってから勝負を動かした経験を持つという点は、2人の200mを比べるうえで面白い材料だと思います。
鵜澤飛羽と謝震業が競技中ほど似て見える理由
では、顔の話に戻りましょう。
私が2人を見比べて感じるのは、似て見える度合いが、表情によってかなり変わるということです。
特に印象が近づきやすいのは、スタート前やレース直後など、集中している場面です。
人は真剣になると表情筋の使い方が変わります。
眉や目元が引き締まり、笑顔のときより口元も固くなるため、もともとの顔立ち以上にシャープな印象になりますよね。
鵜澤選手と謝選手は、そうした「競技の顔」になったときの雰囲気に重なる部分があるように私は感じます。
一方、普段の鵜澤選手には競技場とは違った柔らかな一面もあります。
そのため、笑顔の写真とレース直前の写真ではかなり印象が変わりますし、謝選手についても当然、表情によって見え方は変化します。
ですから「鵜澤飛羽と謝震業は似ているか」という問いには、
競技中の真剣な表情では似た印象を受けることがある。ただし、いつ見てもそっくりというタイプではない
というのが私なりの答えです。
そして、ここで200mという競技そのものも無視できません。
2人ともトップクラスの短距離選手ですから、スタート前には余計な動きを抑えて集中し、鍛えられた身体で同じようにクラウチングスタートへ備えます。
もちろん「200m選手だから顔が似る」ということではありません。
ただ、もともと多少共通して見える輪郭や目元に、同じ競技で生まれる表情・姿勢・緊張感が重なることで、さらに似た印象になると考えると分かりやすいのではないでしょうか。
これはスポーツ選手の「似てる」を考えるときに、顔写真だけを比べるより面白い視点だと思っています。
同じ人物でも、証明写真、笑顔のインタビュー、スタート直前ではまるで印象が違いますものね。
鵜澤選手と謝選手の場合は特に、「どの瞬間を切り取るか」で似ている度合いが変わる2人なのでしょう。
鵜澤飛羽と謝震業の共通点と違いは?
ここまでを整理すると、2人には「似ているところ」と「明確に違うところ」の両方があります。
まず共通しているのは、男子200mで国際大会を戦ってきたトップスプリンターであること。
そして、集中したときの精悍な表情や引き締まった印象に、視覚的な共通点を感じる写真があることです。
一方、競技歴や2023年時点で置かれていた立場はかなり違いました。
謝選手は1993年生まれで、すでに19秒88というアジア記録を持ち、世界大会も経験してきた中国の中心的なスプリンターでした。
対して2002年生まれの鵜澤選手は、2023年アジア選手権当時は筑波大学の学生。
その時点での200m自己ベストは大会前が20秒32であり、謝選手との自己ベスト差は実に0秒44ありました。
200mで0秒44と聞くと、陸上をあまり見ない方には小さな差に感じるかもしれません。
しかし20秒前後で勝負する世界では、とても大きな差です。
それでも実際のアジア選手権決勝では、鵜澤選手が20秒23、謝選手が20秒66。
自己ベストでは謝選手が上でも、その日の勝負では鵜澤選手が0秒43先着しました。
「持ちタイム」と「その日の勝負」は別物である。
これは2023年の直接対決から読み取れる、短距離競技の面白さの一つではないでしょうか。
さらに興味深いのは、鵜澤選手が勝利後にも謝選手を高く評価していた点です。
自分が勝ったからといって相手の強さがなくなるわけではありません。
むしろ実際に同じレースを走ったからこそ、謝選手の前半からの走りや勝負への合わせ方に、世界を経験してきた選手の力を感じ取ったのでしょう。
私はここに、2人を比較する一番の面白さがあると思います。
単なる「日本選手と顔が似ている中国選手」ではありません。
鵜澤選手がアジア王者になる過程で実際に追いかけ、最後に上回った強豪が謝震業選手だったのです。
考察|「顔が似てる」より面白いのは2人の200mの物語
ここからは筆者としての私見です。
鵜澤飛羽選手と謝震業選手について、私は「誰が見てもそっくり」とまでは思いません。
写真によってかなり印象が違いますし、笑った顔ではそれぞれの個性がよく出ています。
それでも競技中には、不思議と近い印象を受ける瞬間があります。
理由は、顔立ちそのもの、集中時の表情、短距離選手特有の姿勢という3つが同時に重なるからではないかと考えています。
特にスタート前の表情は大きいでしょう。
余計な表情がなくなり、目線が一点に集まり、口元が締まる。
その状態になると、普段以上に2人のシャープな印象が際立ちます。
ただ、今回改めて調べていて、私は顔の類似よりもっと興味をひかれたことがあります。
それが2019年の謝選手と2023年の鵜澤選手、それぞれのホームストレートでの強さです。
謝選手は2019年のロンドンで、カーブ終了時点から順位を上げ、19秒88のアジア記録で優勝しました。
鵜澤選手は2023年のアジア選手権で、実績のある謝選手らに先行される展開から自分の走りを続け、最後の直線でトップへ立って20秒23を記録しました。
もちろん、この2つのレースは大会も相手もコンディションも違います。
ですから「同じタイプのスプリンター」とまでは断定できません。
それでも、2人とも200mの後半で存在感を示したレースを持っているという事実は、外見だけでは分からない面白い共通点です。
さらに2023年の決勝では、自己ベスト19秒88の謝選手に対して、当時20秒32だった鵜澤選手が勝ちました。
私はここにもスポーツを見る楽しさを感じます。
記録表だけを見れば、19秒88と20秒32。
数字だけなら謝選手のほうが明らかに速い。
でも選手同士が実際にスタートラインへ並べば、過去の自己ベストではなく、その瞬間の200mで勝敗が決まります。
鵜澤選手が20秒23まで自己ベストを伸ばして優勝した2023年7月16日の一戦は、そのことをとても分かりやすく教えてくれるレースだったのではないでしょうか。
そして、その相手だった謝選手が、かつて19秒88でアジアの200mを一段上の世界へ押し上げたスプリンターだったことにも意味があります。
若い選手が、先に世界基準の記録を出した強豪と直接走り、そこで自分のベストを更新して勝つ。
そんな背景を知ってから2人の写真を見ると、単純な「似てる・似てない」以上の関係に見えてきますよね。
私としては、鵜澤飛羽選手と謝震業選手の一番面白い共通点は、顔の輪郭以上に、200mという一周の半分だけの短いレースに、最後まで勝負を残せるスプリンターであることだと感じています。
まとめ|鵜澤飛羽と謝震業は競技中の表情が似て見えやすい
鵜澤飛羽選手と謝震業選手は、顔そのものが瓜二つというより、引き締まった輪郭、集中時の目元、口元を締めた精悍な表情などが重なると似て見える2人だと私は感じます。
特にレース前などの「勝負の顔」では印象が近づきやすく、反対に笑顔ではそれぞれの個性が出やすいでしょう。
そして2人には、見た目以上に重要な接点があります。
2023年7月16日のアジア選手権男子200m決勝で、鵜澤飛羽選手が20秒23で優勝し、謝震業選手は20秒66で4位。両者の差は0秒43でした。
鵜澤選手の20秒23は向かい風0.4m/sのなかでの大会新記録で、それまでの自己ベスト20秒32も更新しています。
一方の謝選手は、2019年7月21日にロンドンで記録した19秒88の200m自己ベストを持ち、2023年当時のアジア記録保持者でした。
その実績ある謝選手に先行されながら、自分の走りを崩さず終盤で前へ出たところに、鵜澤選手の強さが表れています。
「顔が似ているのかな?」という小さな興味から調べてみると、最後には2人が実際に競り合ったアジア200mの大舞台へたどり着きました。
そんなふうに、見た目から入って走りや競技歴まで知っていけるところも、スポーツ選手を応援する楽しさではないかしら。
よくある質問
鵜澤飛羽選手と謝震業選手は本当に顔が似ていますか?
似ているかどうかは主観ですが、引き締まった輪郭や集中時の目元、競技中の精悍な表情には近い印象を受ける写真があります。
一方、普段の笑顔などではそれぞれの個性が出るため、「いつ見てもそっくり」というタイプではないでしょう。
鵜澤飛羽選手と謝震業選手の直接対決はどうなりましたか?
2023年7月16日のアジア選手権男子200m決勝では、鵜澤飛羽選手が20秒23で1位、謝震業選手が20秒66で4位でした。
風は向かい風0.4m/sで、鵜澤選手の20秒23は大会新記録でした。
謝震業選手の200m自己ベストは何秒ですか?
World Athleticsによると、謝震業選手の200m自己ベストは19秒88です。
2019年7月21日にロンドンで記録したもので、当時のアジア記録でした。
春野滋(エンタメ&スポーツ愛好家ライター)

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