杉山慎の出身地と経歴まとめ!雪氷学者になるまでの歩み

愛知県生まれの杉山慎が企業研究員やザンビアの教師を経て氷河研究者になるまでの歩み 科学者

杉山慎さんは1969年3月に愛知県で生まれ、大阪大学、信越化学工業、ザンビアでの教師経験を経て、世界的な雪氷学者になりました。

2026年9月1日現在、北海道大学低温科学研究所教授、北海道大学北極域研究センター長、国際雪氷学会会長を務めています。

杉山慎は愛知県生まれ!詳しい出身地や高校は公表されている?

杉山慎さんについて公表資料から確認できるのは、1969年3月に愛知県で生まれたという情報です。

2026年9月6日に放送予定の毎日放送・TBS系「情熱大陸」の番組プロフィールには、「1969年3月愛知生まれ」と記載されています。

ここで注意したいのが、「愛知生まれ」と「愛知県出身」は厳密には同じ意味ではないことです。

出生後も愛知県で育ったのか、幼少期に別の地域へ移ったのかは、公表されているプロフィールだけでは判断できません。そのため、この記事では根拠に合わせて、原則として「愛知県生まれ」と表記します。

愛知県内の詳しい市町村や出身高校についても、今回確認した次の公表資料には記載がありませんでした。

  • 北海道大学低温科学研究所の研究者・組織情報
  • 北海道大学北極域研究センターの組織情報
  • 「情熱大陸」の番組プロフィール
  • 国際雪氷学会の役員情報
  • 欧州地球科学連合の受賞者紹介
  • researchmapなどの公開研究者情報
  • 出版社による著者紹介

したがって、「名古屋市出身」「愛知県内の特定の高校を卒業した」といった情報は、根拠が確認できない限り断定できません。

検索すると、市町村名や高校名まで知りたくなるものですよね。しかし、研究者本人が公表していない情報については、推測を事実のように広げないことが大切です。

杉山さんの基本情報を、2026年9月1日時点で確認できた範囲に絞って整理します。

  • 名前:杉山慎(すぎやま・しん)
  • 英語表記:Shin Sugiyama
  • 生年月:1969年3月
  • 出生地:愛知県
  • 最終学歴:北海道大学大学院地球環境科学研究科博士課程修了
  • 学位:博士(地球環境科学)
  • 専門:雪氷学、氷河・氷床変動
  • 現職:北海道大学低温科学研究所教授
  • 兼任:北海道大学北極域研究センター長
  • 国際的役職:国際雪氷学会会長
  • 主な調査地域:グリーンランド、南極、パタゴニア、スイスなど

愛知県は、巨大な氷河や氷床を身近に観察できる土地ではありません。

それでも杉山さんは、後に南極へ通算4回赴き、北極圏では15年にわたって現地調査を続ける研究者になりました。この大きな変化を理解する鍵は、大学で学んだ物性物理学、企業での研究開発、山登りへの関心にあります。


杉山慎の学歴・職歴は?経歴を時系列で整理

杉山慎さんは、高校卒業後すぐに雪氷学を専門としたわけではありません。

大阪大学で物性物理学を学び、民間企業の研究員と青年海外協力隊員を経験した後、30代になってから北海道大学の博士課程で雪氷学を本格的に研究しました。

公表されている研究者情報を基に、主な歩みを時系列で整理すると次のようになります。

年月 学歴・職歴 確認できる内容
1969年3月 愛知県で誕生 詳しい市町村は公表資料で確認できず
1987年4月 大阪大学基礎工学部入学 物性物理工学科で学ぶ
1991年3月 大阪大学基礎工学部卒業 物性物理学を専攻
1991年4月 大阪大学大学院へ進学 基礎工学研究科で物性物理学を学ぶ
1993年3月 大阪大学大学院修士課程修了 同年から民間企業の研究員へ
1993年4月 信越化学工業入社 精密機能材料研究所で研究開発に従事
1997年9月 青年海外協力隊に参加 ザンビア共和国で理数科教師を務める
1999年12月 青年海外協力隊の活動終了 約2年3か月にわたり教育活動に従事
2000年4月 北海道大学大学院博士課程へ進学 地球環境科学研究科で雪氷学を研究
2003年3月 博士課程修了 博士(地球環境科学)を取得
2003年4月 ETHチューリッヒ研究員 スイスの氷河研究環境で経験を積む
2005年10月 北海道大学低温科学研究所講師 日本で研究と教育に携わる
2014年2月 同研究所准教授 氷河・氷床研究を推進
2017年4月 同研究所教授 氷河・氷床グループを率いる
2025年 北海道大学北極域研究センター長 公式組織情報でセンター長就任を確認
2024~2027年 国際雪氷学会会長 学会公式の任期情報による

経歴を眺めると、「物理学」「企業研究」「海外教育」「雪氷学」と仕事が次々に変わったように見えます。

しかし、詳しくたどると、物質の性質を測定して仕組みを解明するという科学的な軸は途切れていません。研究対象が人工材料から自然界の氷へ移った、と捉えると分かりやすいでしょう。

なお、「情熱大陸」のプロフィールには「北海道大学でのポスドクを経て、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)へ留学」とあります。一方、公開研究者情報では2003年4月からETHチューリッヒで研究員を務めた経歴が示されています。

資料によって経歴の要約方法が異なるため、この記事では確認できる年月を優先し、博士課程修了後の2003年からETHチューリッヒで研究に従事した、と整理しました。

大阪大学では物性物理学を専攻

杉山さんは大阪大学基礎工学部物性物理工学科で学び、同大学大学院基礎工学研究科の修士課程まで進みました。

物性物理学とは、物質が示す電気的、磁気的、光学的、力学的な性質を、物理法則に基づいて理解する分野です。

一見すると、半導体のような材料と巨大な氷河には接点がないように思えますよね。

けれども氷河も、重力を受けて変形し、岩盤の上を流れ、底に入り込んだ水によって速度を変える「物質」です。温度、圧力、摩擦、水の動きなどを測り、目に見えない内部や境界の現象を解明する点では、物性研究との共通項があります。

「情熱大陸」の番組プロフィールでは、杉山さんが山登りをきっかけに、物質研究の背景を生かせる氷河研究へ進んだと紹介されています。

興味の対象である山と、自分が培ってきた物理学が、氷河という研究対象で結びついたのですね。


杉山慎は信越化学工業で何を研究していた?

杉山慎さんは1993年4月、大阪大学大学院修士課程を修了した後、信越化学工業へ入社しました。

公表されている研究者経歴では、精密機能材料研究所の研究員として1997年8月まで勤務しています。

「情熱大陸」のプロフィールによると、当時はガラスや半導体部品などの先端デバイス開発に携わっていました。出版社の著者紹介では、光通信に関係するデバイスの研究開発に従事したことも示されています。

光通信デバイスとは、電気信号と光信号を変換したり、光を正確に伝えたりする通信技術を支える部品です。

大学院で学んだ物性物理学を、製品や産業技術に結びつける仕事だったと考えられます。

杉山さんが後に得意とする氷河の直接観測でも、対象を目で見るだけでは十分ではありません。センサーや掘削機器を使い、氷の動き、水圧、温度などを数値として捉える必要があります。

もちろん、企業でのデバイス開発が、そのまま氷河観測の技術になったと示す本人の発言までは確認できません。

それでも、測定装置を扱い、物理現象をデータに変え、得られた数値から原因を探る姿勢は、現在の研究と重なる部分があると筆者は考えます。

なぜ信越化学工業を退職したの?

杉山さんが信越化学工業を離れた詳しい理由は、今回確認した一次情報や公式プロフィールでは明らかにされていません。

そのため、「企業研究が合わなかった」「最初から大学研究者へ転身する予定だった」などと決めつけることはできません。

確認できるのは、1997年8月まで信越化学工業に在籍し、翌9月から青年海外協力隊に参加したという経緯です。

進路変更の理由を想像で埋めず、公表された事実と本人が語った動機を分けて読むことが、経歴を正確に理解するうえで欠かせません。


杉山慎はザンビアで何をしていた?

杉山慎さんは1997年9月から1999年12月まで、青年海外協力隊員としてアフリカ南部のザンビア共和国へ派遣されました。

現地では、高等学校の理数科教師として生徒たちを指導しています。

信越化学工業では先端デバイスを研究していましたが、ザンビアでは教室に立って数学や理科を伝える立場になりました。仕事の場所も相手も大きく変わった、経歴上の重要な転換点です。

ただし、なぜザンビアを選んだのか、現地でどのような授業を行ったのか、教師経験が後の研究活動にどう影響したのかについては、今回確認した資料だけでは詳しく分かりません。

「ザンビアで教えた経験があったから説明力が身についた」と断定するのも慎重であるべきでしょう。

※画像はAIによるイメージ

ここからは筆者の考察ですが、言葉や教育環境が異なる場所で理数科を伝えた経験は、「何を共有しなければ相手に理解してもらえないか」を考える機会になった可能性があります。

極地での研究は、研究者一人では成り立ちません。異分野の研究者、現地の住民、観測を支える技術者や学生など、多くの人と目的や安全情報を共有する必要があるからです。

現在、杉山さんは北極域研究強化プロジェクト「ArCS III」において、次世代の北極域研究者を育成する事業にも関わっています。

ザンビアでの経験との直接的な因果関係は確認できないものの、「科学を自分で理解する人」から「科学を人に伝える人」になった期間として、教師時代は見逃せない歩みだと感じます。


杉山慎はどうやって世界的な雪氷学者になった?

ザンビアでの活動を終えた杉山慎さんは、2000年4月に北海道大学大学院地球環境科学研究科博士課程へ進学しました。

2003年3月に博士課程を修了し、博士(地球環境科学)の学位を取得。その後はスイス連邦工科大学チューリッヒ校、通称ETHチューリッヒで研究員を務めました。

スイスにはアルプスの氷河があり、氷河を現場で観測しながら研究できる環境があります。

杉山さんは2005年10月に北海道大学低温科学研究所の講師となり、2014年2月に准教授、2017年4月に教授へ昇任しました。

2026年9月1日現在、北海道大学低温科学研究所の公式情報には、氷河・氷床を担当する教授として掲載されています。

また、北海道大学北極域研究センターの公式組織情報でも、教授・センター長であることを確認できます。センター長としての挨拶は2025年6月付で公開されています。

氷河の「見えない境界」を直接調べる研究

杉山さんの研究で重要なのは、氷河の表面変化だけでなく、観察しにくい底面や先端を直接調べている点です。

氷河の底には融け水が流れています。その水圧や流れ方が変わると、氷と岩盤の間の摩擦が弱まり、氷河が速く動くことがあります。

さらに、海や湖へ張り出した氷河では、先端から氷塊が割れ落ちます。この現象を「カービング」と呼び、氷河が質量を失う重要な仕組みの一つです。

杉山さんの研究グループは、主に次の方法を組み合わせています。

  • 氷河へ赴いて測定機器を設置する野外観測
  • 人工衛星による広域データの解析
  • 氷河の動きを再現するコンピューター数値実験

2025年2月には、グリーンランドで融け水、雨、潮の満ち引きが氷河の流動を加速させる仕組みに関する研究成果が、北海道大学から発表されました。

さらに2026年6月には、南極の融け水が氷河を加速させることを初めて確認した研究成果も公表されています。

ここに、物性物理学を学んだ杉山さんらしさが表れているのではないでしょうか。

巨大な氷河を「遠くから眺める地形」として扱うのではなく、力を受けて変形し、水との接触によって動きを変える物質として捉えています。測れなかった境界へ機器を近づけ、氷河が急に動く原因を物理量で説明しようとしているのです。

2025年に欧州地球科学連合のメダルを受賞

杉山さんは2025年、欧州地球科学連合からJulia and Johannes Weertman Medalを授与されました。

欧州地球科学連合の公式受賞理由では、次の研究が特に評価されています。

  • 氷河の運動に関する研究
  • 氷と水の相互作用に関する研究
  • 湖へ流れ込むカービング氷河の研究
  • 氷河にせき止められた湖の決壊に関する研究

2025年4月29日には、オーストリア・ウィーンで授賞式と受賞講演が行われました。

受賞講演の題名は、氷河や氷床の隠れた境界を探る研究を表す内容でした。光が届かず、人工衛星からも直接見えない場所を測ることが、杉山さんの研究の中心にあると分かります。

また、2021年に刊行した『南極の氷に何が起きているか―気候変動と氷床の科学』は、2022年に第38回講談社科学出版賞を受賞しました。

専門家向けの研究だけでなく、南極の氷床で起きている変化を一般の読者へ伝える仕事でも評価されているのですね。

国際雪氷学会会長の任期は2024~2027年

国際雪氷学会の公式役員情報によると、杉山慎さんは2024年から2027年まで会長を務めます。

2026年9月1日時点でも、公式ページには北海道大学所属の会長として掲載されています。

学会会長は、自身の研究を進めるだけでなく、国際会議や学術誌、研究者同士の交流など、雪氷学全体を支える役割を担います。

さらに北海道大学北極域研究センターでは、ArCS IIIを通じた若手研究者や大学院生の海外派遣、人材育成にも関わっています。

信越化学工業、ザンビア、ETHチューリッヒ、北海道大学という異なる環境を経験した杉山さんにとって、次世代を国際的な研究現場へつなぐことも、今後ますます重要な仕事になりそうです。


杉山慎の経歴から見える強みと今後を考察

杉山慎さんの歩みは、一直線に大学教授を目指した経歴ではありません。

大阪大学大学院を修了した後、信越化学工業で約4年4か月働き、ザンビアで約2年3か月にわたって理数科を教え、30代で北海道大学の博士課程へ進みました。

一見すると「異色の転身」に見えますが、筆者としては、過去の専門を捨てたというより、物質の変化を測る力を、地球規模の氷へ広げた経歴だと考えます。

企業では、ガラスや半導体部品などの先端デバイスを扱いました。現在は、氷河の底面や先端という、直接観測が難しい場所へ測定技術を持ち込んでいます。

どちらにも共通するのは、目では見えにくい現象を測定可能なデータへ変え、変化の仕組みを物理的に説明する姿勢です。

この点は単なる一般的なキャリア論ではなく、欧州地球科学連合が評価した「氷河力学」「氷と水の相互作用」「カービング氷河」「氷河湖決壊」という研究内容にも表れています。

特に重要なのは、氷河の底にある水です。

地表の気温が上がって融け水が増えても、その水が氷河内部や底面をどう流れるかによって、氷の動きは変わります。つまり、海面上昇の見通しを精密にするには、「氷が何度で融けるか」だけでなく、「融けた水が氷河をどう動かすか」を理解しなければなりません。

杉山さんの研究は、衛星画像だけでは見えない氷河底面や、水と接する先端を直接観測することで、その空白を埋めようとしています。

私はここに、杉山さんの経歴と研究成果が最も具体的につながる部分があると感じました。小さな材料を扱ってきた物理学者の視点が、南極やグリーンランドの巨大な氷を動かす仕組みの解明に生かされているのです。

今後は、個々の氷河で得た観測結果を、より広い地域の予測へどう反映するかが注目されるでしょう。

同時に、北極域研究センター長や国際雪氷学会会長として、若手研究者を育て、国や専門分野を越えた共同研究をまとめる役割も大きくなります。

なお、2026年9月6日午後11時10分から放送予定の「情熱大陸」では、夏のグリーンランドにおける氷河観測が紹介される予定です。

本記事の基準日である2026年9月1日時点では、番組はまだ放送前です。そのため、番組内で示される観測結果や本人の発言を、すでに放送された事実としては扱っていません。

放送後に新たな事実や本人の説明が明らかになった場合は、既存の公表資料と照合して確認する必要があります。

杉山慎さんは1969年3月に愛知県で生まれ、大阪大学で物性物理学を学びました。その後、信越化学工業の研究員、ザンビアの理数科教師、ETHチューリッヒの研究員を経て、北海道大学の雪氷学者になっています。

詳しい出生市町村や出身高校、信越化学工業を離れた理由は、公表資料では確認できません。

一方、現在の研究では、物理学と測定技術を生かして氷河の底面や先端を直接調べ、氷と水の相互作用を明らかにしています。

杉山さんの経歴は、単なる「遠回り」ではありません。積み重ねた知識と新たに芽生えた関心を結びつけ、世界的な研究へ育てた歩みだといえるでしょう。


よくある質問

杉山慎はどこで生まれましたか?

杉山慎さんは1969年3月に愛知県で生まれました。愛知県内の詳しい市町村や、その後も愛知県で育ったかどうかは、公表資料では確認できません。

杉山慎はなぜ雪氷学者になったのですか?

「情熱大陸」の放送予定プロフィールでは、山登りをきっかけに、物質研究の背景を生かせる氷河研究へ進んだと紹介されています。企業研究員とザンビアでの教師経験を経た後、2000年に北海道大学大学院博士課程へ進学しました。

杉山慎の現在の役職は何ですか?

2026年9月1日現在、北海道大学低温科学研究所教授、北海道大学北極域研究センター長、国際雪氷学会会長です。国際雪氷学会が公表している会長任期は2024年から2027年までです。


参照・確認した主な公表資料

この記事は、2026年9月1日を情報の基準日として、次の公表資料を照合して執筆しました。

  • 北海道大学低温科学研究所「研究部門・組織」「氷河・氷床グループ」「ニュース」
  • 北海道大学北極域研究センター「組織」「センター長挨拶」「ArCS III」
  • 国際雪氷学会「IGS Council」
  • 欧州地球科学連合「Julia and Johannes Weertman Medal 2025―Shin Sugiyama」
  • 毎日放送「情熱大陸」杉山慎プロフィールおよび放送予告
  • TBSテレビ2026年9月6日番組情報
  • 公開研究者情報および出版社の著者紹介

番組プロフィールについては、2026年9月6日の放送前に公開された予告情報として扱っています。学歴、職歴、役職、任期は大学・研究機関・学会の公式情報を優先し、資料間で表現が異なる部分は断定を避けました。

執筆:春野滋(エンタメ&スポーツ愛好家ライター)

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